黒受け

□笑顔にする方法〜イブ編〜
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WC出場を決めて予選が終わって12月に入り、久しぶりの貴重な日曜日の部活のない日、暇だから何となくゲーセンに行ったら。

「火神君?」

UFOキャッチャーの前にいた黒子に声をかけられた。

「黒子?何だよ、1人か?あの人どこいんだよ」

火神の言うあの人とは、黒子の恋人の事。

いったいいつの間にそんな関係になったのかと皆が首を傾げた、秀徳の宮地。

「秀徳も今日は部活は休みだそうですがミーティングがあるそうなので、暇を潰すならここにいろと言われたので」

「ふうん」

「取れました」

「あ?」

ぬいぐるみを取るのに挑戦していたらしい黒子の手には、白い動物らしきぬいぐるみ。

見ると、黒子の足下にある袋にもいくつかぬいぐるみが入っている。

「どんだけいたんだここに」

「まだ30分足らずですよ、ボク得意なんですこれ。火神君、暇なら付き合ってくださいよ」

「俺これ苦手だぞ」

「違います。対戦しましょう、頭を使うものならボクでも君に勝てます」

「何だとこの野郎、受けて立ってやる」

それからまた30分間、宮地が迎えに来るまで黒子と火神はゲームに熱中して。

「おう黒子、待たせたな……火神?」

「うっす」

「宮地さん聞いてください、ボク火神君に勝ちました。やってやりました」

「は?」

「対戦ゲーム、全勝しました」

「おー、やるじゃん」

頭にポンポンと頭を置かれて、黒子は嬉しげに笑う。

優しげに黒子を見る宮地を見るのも火神は初めてで、目を見張る。

「火神、俺と勝負してみっか?」

「宮地さん強いんですよ。ボク勝てた事ないですもん、火神君も絶対勝てないです」

いつもは表情に乏しいのに、きらきらと輝いた顔で何だか自分の事のように自慢げな黒子に少しムッとして。

「望むところだ!」

なんて、勝負を受けたはいいけれど。

「嘘だ」

その10分後、火神のゲーム画面に出た文字は。


YOU LOSE


つまり、負け。

「ちょっ……何すか宮地さん今のコンボ!そんなの出た事ないっすよ!」

「企業秘密。悔しかったらうちのホークアイに頼み込んで教えてもらうんだな」

「は、高尾?」

「あいつ、ムカつくぐらいゲーム強えんだ。裏技教える時は、高い見返り要求すっけど」

「ぜってぇ嫌だ!」

「ぶはっ」

力の限り拒否したら、宮地は吹き出し黒子もおかしそうにクスクス笑った。

「……ってか、すんません」

「あん?」


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