another story
□もしもシリーズの黒子が通常黄黒の世界に遊びに来たよ。
6ページ/6ページ
ぐっと拳を握りしめ、きらきらした目で黄瀬を見上げる黒子も皆にとっては新鮮すぎて、黄瀬に至っては顔がふやけきってイケメンモデル台無しの顔になっている。
「いいのか、黄瀬こんなんなってるけど」
「いいんです。こんなんなってる黄瀬君は可愛いので」
「これぞまさしく「恋は盲目」ってやつだな」
「「あばたもえくぼ」とも言うけどな」
「……黒子っち?」
「はい?」
いつもはあまり見せないきょとんとした顔の黒子の頭を撫でてみると、にこぉと嬉しげにはにかむ。
(かわっ……可愛いー!!)
(……逆に不憫だな、黄瀬……)
この時代の黒子ならここで抱きしめたら迷わずイグナイトをお見舞いするだろうが、今ここにいる黒子はしないだろう。逆になおさら嬉しそうに笑って抱きつき返してくるはずだ。
黄瀬もそれが分かっているから頭を撫でてみたのだろうが、人前で抱きつくとイグナイトが繰り出されると刷り込まれているからこそやり場のない手に、さすがに少し可哀相になってきた皆だった。
カチカチカチカチ。
授業中、後ろから軽快にボタンを押す音が聞こえる。
カチカチ、カチカチ。
「……おい黒子、何やってんだ」
「黄瀬君にメールを打っています。何でこっちのボクスマホじゃないんですか、フリック入力ならもう少し早く黄瀬君にメール送れるのに」
カチ、カチカチカチ。
「(フリック入力て何だよ)……電話が出来りゃいいって前言ってたな」
「黄瀬君とメールしないんですか」
「来ても無視してるな。1日何十通と黄瀬が送って来やがるから、めんどくさいらしいぜ」
「……なんて贅沢な……!」
会話をしながらもメールを打ち終えて、送信ボタンを押す。
「こっちのお前はメール打ち慣れてねえからたまにメールすっ時めちゃ遅いし、そんなに軽快にサクサク打ってんの見ると気持ち悪い」
「失礼ですね」
今は授業中。火神は前を向いたまま頬杖をつくフリをして口元を隠し、黒子と話している。
「火神君の体格が黄瀬君と変わらないくらいで助かりました。メールし放題です。後ろ姿からでも漂う安心感は黄瀬君100なら火神君は1ですけど」
「てめえ」
そのうち返信が来たのか、黒子は少し笑ってまたカチカチとメールを打ち始める。
しょっちゅう居眠りをしている火神が言うのもなんだが、授業中に何やってんだと突っ込まずにはいられなかった。
next
続いちゃった(^^;)
誕生日ぽくない話なので、誕生日お祝いというより誕生日企画です。
次で終わります。今回は通常黄黒サイドでしたが、後編も通常黄黒の黒サイドかな?
黄黒ちゃんの日更新を目指します!
きーちゃんお誕生日おめでとう!\(^o^)/
2015.6.18