another story

□お菓子より恋人
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*6月18日*



―今欲しい物はありますか?

今は特にないっス。元々物欲ってあんま無くて。今めっちゃ私生活が充実してるんで、それも関係してるかもしれないっスね

―えっ、それってどういう意味?

そのままの意味っスよ。側にいるだけで癒される存在がいるって、やっぱ大きいっスよね

―今お付き合いしてる人とかいるの?

ご想像にお任せします。これでも一応健全な男子中学生っスから、って事で






「黄瀬君大丈夫ですか?」

黒子を後ろから抱きしめ、黄瀬はその肩に顎を預ける。

「大丈夫っス」

ちゅ、と真横にある頬にキスをすれば、不意を付かれた黒子が「ひゃ」とくすぐったげに声を上げた。

「黒子っち何その反応、かーわいー!」

「わ、ちょっと、黄瀬君、」

ぎゅううと抱きしめてきて頬ずりをする黄瀬にも、黒子は嬉しげに笑って。

黒子が黄瀬への態度を急変させて、まだ数週間。

2人が今いるのは一軍の部室で、人目があるのにくっつかれる事を嫌がらないどころか自分からもくっつく黒子には、皆は未だ慣れない。

今日は黄瀬の誕生日。

去年は我先にとプレゼントを渡そうと黄瀬に群がっていたファンは、今年は誕生日の一週間前に出た雑誌のインタビュー記事が牽制になったのか幾分少ないように感じる(それでも黄瀬に近付けないほどには大人数だが)。

今は人目を避けて部室に避難しているのだ。

「テツヤはもう涼太にプレゼントやったのか?」

「や、黄瀬く、においかがないでくださ……え?ごめんなさい赤司君、何ですか?」

クンクンとにおいを嗅ぐ黄瀬にくすぐったさを見せながら、黒子が一拍遅れて赤司に反応する。

「誕生日プレゼント。もうあげた?」

「はいっ。日付が変わると同時に」

「自分にリボンかけて「ボクがプレゼントです」なんてベタな事してたりしてな」

「え、すごいです青峰君、何で分かったんですか」

「マジか」

「おいしくいただきました。極上の甘さだったっス」

「聞きたくねえよ」

「ねーそれより黄瀬ちん、もうお菓子のプレゼントないのー?」

「さっきので最後っス。後でもらったらまた紫原っちにあげるっスよ」

「わーい」

「食べないなら最初から受け取らなければいいだろう。不誠実なのだよ」

「紫原っちにあげる可能性高いけどって言って、それでもいいって子からしか受け取ってないんで大丈夫っス」

「えー、じゃあ私もプレゼント手作りのお菓子にすればよかったな。そしたら今皆で食べれたのにね」

「あ、それは大丈夫っス(です)((だ))(なのだよ)(だしー)」

「ちょっと皆それどういう意味!?」



皆で笑って、一緒に時間を過ごして。



それはまだ黒子が帝光でバスケをやれていた頃。



引退を待たずに退部を決意する、二ヶ月前の話。



end



きーちゃんお誕生日おめでとう(*´∀`*)
おかしいな、明るいだけで終わらせる予定が←

タイトルはあれです、花より団子のような雰囲気で受け取ってもらえれば。



更新日>>2014.6.18

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