高黒

□[13]幸福の連鎖ーhappinessー
5ページ/5ページ



「なあテッちゃん?テッちゃんの知ってる数分でも数時間先でも、未来の俺はどうした?どこにいる?」

「この時期に……誰にも何も言わないで行方不明に……」

思わず高尾のまだ知らない高尾の未来を言ってしまったと、口を押さえた黒子の顔を覗き込む。

「未来に帰っても、テッちゃん達がここに来る前の俺の過去と全然変わってなかったんじゃねえの?そして、この先いくら捜しても「俺」は見つからなかった、そうだろ?」

最初は目を泳がせていたが、高尾が楽しげに笑いながらまたキスをするから、黒子は観念してこくりとうなづく。

「ほらね。未来の俺も、やっぱりテッちゃんと一緒に「今日」未来に行ったんだよ」

「そうだ。それが「正しい過去」だ」

突然第三者の声が聞こえ、高尾と黒子はギクリとする。

「誰!……だ……」

声を荒らげようとした高尾は、階段を下りてきた人物を見て驚きで大きく目を見開かせる。

「歴史は繰り返すと言うが、まさにその通りなのだよ」

緑色の髪。彼独特の口調。

「「聞いていた通り」だ」

「……真、ちゃん……?」

ここにいるはずのない、緑間がいた。

話の内容からして、緑間は黒子すらまだ知らない「高尾の未来の真実」を知っている。

「テッちゃん、何これどういう事……」

何で真ちゃんが知ってんの、そう聞こうとしたけれど、腕の中の黒子も驚きに目を見開かせていて。

「……緑間君、ここにどうやって入ったんですか?」

そう、自分は確かに鍵を閉めたはず。

「それより、……君は、「何」ですか……?」

黒子の呆然とした声に、緑間はゆっくり歩いて2人の前まで来るとその場に座る。

「裏口の戸が開いていたらしいという話を「聞いていた」のだよ。お前達がこの時間にここにいるという事もな」

緑間は、珍しく少し笑顔を見せて。

「なかなか骨が折れたのだよ。「何も知らない振り」を続けるというのは」

「ちょい待ち。真ちゃんさっきから話おかしい。「聞いてた」って、誰から、」

「それはいずれ分かる。高尾が、黒子と一緒に未来に行った時にな」

「……!」

「待っ……待って、ください。話が見えません、だって、ボク達の時代に君はいませ……」

「いるのだよ、ちゃんと」

黒子の言葉を遮って、緑間は言い切った。

「いるが、まだ出会っていないだけだ。じきに出会う。「お前達を知らない俺」と」



next



緑も未来の子でした。
写真嫌いも、黒が過去で写真を撮らせなかった理由と同じ。
キャラ設定考えた時はそこまで頭回ってなかった私です(^^;)
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ