黄黒

□[scene2]試合当日
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「もうすぐ誠凛来る頃だな。黄瀬に黒子、迎え行ってこい」

笠松の言葉に、黒子とパス練をしていた黄瀬が振り向く。

「何で俺らスか」

「彼らと直接対面してんのお前と黒子だけだからだ。キャプテン命令」

「ういーっス。黒子っち、行こ」

「はい」

持っていたボールを床に置いて、黒子も黄瀬と一緒に体育館を出る。

「ま、うち広いっスからね。迷われても困るし」

「そうですね」

ちょいと服の裾を引っ張ると、それに気付いて黄瀬が笑う。

そんな様子を見て、「おい何だよ、校内デートか?」と声をかけてきたのは、チームメイトでクラスメイトでもある里内。

「おはようございます。遅刻ですよ、里内君」

「はよ。お前らは何やってんだよ」

「誠凛さん出迎えに行くんス。それより、早く行かないとまた笠松先輩からの説教長引くっスよ」

「やっべ、そうだった!」

慌てて走っていく里内を見送って、前に視線を移すと誠凛の皆が歩いてくるのが見えた。

「あ、来た来た」

「黄瀬……!と、黒子?」

「はい」

「うおっ、やっぱりいた。何してんだよお前ら」

「広いんでお迎えにあがりました」

愛想良く手を振った次に、黄瀬は火神の前に立ちはだかる。

挑発したら乗ってくれたので、心の中で笑う。

久々に本気が出せる、手応えのありそうな相手。
そう思っていたのに。

「軽い調整のつもりだからな。黄瀬、お前と黒子は出さんぞ」

「え?」

「お前達、特に黄瀬はここにいる全部員の中でも格が違うんだ。試合にもならなくなるだろうが」

「ちょっと、監督やめて。その言い方マジやめて」

先輩の聞いている前で慌てる黄瀬の隣で、黒子はその通りです監督とコクンと頷く。

「あの……スイマセン。調整とかそういうのはちょっと無理かと……」

「そんなヨユーはすぐなくなると思いますよ」

誠凛の女監督に続いた火神と彼女の言葉には、確かに怒気が混ざっていて。

「……黄瀬君、アップはしといた方が良さそうですね。彼らの様子だと、出番'待つ'とかなさそうなんで」

「同感っス。何かやらかしてくれそうっスよね、特に火神とか」

そんな2人の予想は。

「ゴール壊しやがった!」

試合開始からわずか十数秒後、現実となった。



to be next scene...



色々省きました。
注意書きで「試合外のシーンを」と書いている通り、試合シーンは書きません。
次回はおは朝信者登場です。
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