高黒

□[2]合宿1日目@*target 高尾*
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「まさかとは思うが、今噂になっている黒子の恋人とは、もしかしてお前か?」

ぴくりと、黒子の髪に隠れた高尾の指先が揺れる。
もちろんそれに気付けたのは黒子だけだが。

「……真ちゃん」

瞬間、真剣になった高尾の表情。普段あまり見せないそれに怯んだ緑間に。

「ひどいっ、俺はこんなに真ちゃんを愛してるのにっ」

いつもの様子に戻って、がばりと抱きついた。

「気色の悪い事を言うんじゃないのだよ高尾!そして離れろ!」

「駄目ですよ緑間君。いくらおは朝の占いがみずがめ座1位でかに座最下位だったからって、ショックのあまり嫉妬に駆られて大切な人を悲しませるなんて」

「黒子まで何を言っているのだよ!」

「黒子もおは朝見んの?」

けろりとした様子で、それでも緑間からは(嫌がらせで)離れない高尾に(同じく嫌がらせで)特にツッコむ事なく、いえ、と普通に返す。

「今朝こういう結果でかに座のラッキーアイテムが「水色の物」だったらしくて、「今日はなるべく側にいろ。不本意極まりないがそれが運命なのだよ」と、至極不愉快かつボクの人権を無視するような電話をもらいまして」

「黒子も言い方容赦ねえな。それより真ちゃん、水色の物なら俺持ってるし!だから黒子じゃなくてそれにしてっ」

「分かった!謹んでお前からそれを借りるから離れるのだよ!」

「ラブラブですね、緑間君照れてるんですか」

「あ、分かる?真ちゃんほら、この子ツンデレだから」

「ちーがーうー!」

全身に鳥肌を立たせて叫ぶ緑間は傍目に見ていて非常に気の毒ではあったものの、皆の意識はそれとは別のところにあった。

「とりあえず、高尾は恋人疑惑候補からはずして大丈夫だな」

「そうだね」

なんて、日向と伊月が安心しかけたその先で。

「あんまりツンばっかりだと俺こいつと浮気すっからな!」

言うが早いか、高尾が黒子を後ろから抱き締め。

そこに、タイミングがいいのか悪いのか海常メンバーが到着し。

「あーっ!何やってんスか高尾クンっ」

それを目撃した黄瀬が荷物を放り出して3人の元に駆け寄り、黒子の腕を引っ張って高尾から引き剥がした。

「良かった……もう少しで俺の黒子っちが高尾クンに取られるとこだった」

うっうっと泣き真似をする黄瀬にため息をつく。

「離してください黄瀬君、いつボクが君のものになったんですか」


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