Ifの世界
□第8夜
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「どうしたの〜?」
質問の答えになっていない返事をしてしまったからか、蜻蛉はしばらくキョトンとする。
そして、理解したのかニッと八重歯を覗かせた。
「早乙女は昨日でろんでろんになっていたから、二日酔いになっていないか心配でな。」
「そんなに酔ってた〜?」
「あぁ。水持ってくるから少し待っていろ。」
全く酔っていた記憶は無い。
が、それよりも蜻蛉が優しいことに驚いた。
昨日はS!M!とばかり言っているイメージだったのに。
変人だけどホントは優しかったんだ、なんて結構失礼なことを心の中で呟いた。
「はい。」
「あ、ありがと〜。」
水の入ったグラスで、熱を持った手のひらを冷やすように包む。
充分に手のひらを冷やしてからグイッとグラスの水を呷り、タンッと勢いよく机におく。
氷がカラカラン、とグラスの中で、楽しそうに踊っていた。
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