Ifの世界
□第7夜
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「ん〜・・・。眠い!!」
突然叫んだ早乙女の言葉につられて、カチカチと正確に秒針の音を人知れず刻んでいた時計を見ると、もうすでに23時。
「流石に居座り過ぎたわね。」
「居座った私達どえs」「凍らすわよ。」
「帰ろっか〜。」
残夏が腰を上げるより先にフラフラと俺から離れていた早乙女が、危なっかしく残夏の方へ向かっている。
「え」
ドサ、と早乙女がダイブした先は残夏の膝。
残夏は突然のことに驚いたのか、小さく声をあげたあとフリーズした。
どうやら残夏の後ろに寝室の入り口があるようで、そちらに向かっていて、ダイブの結果に至ったらしい。
入り口から覗いてみると、シングルのゆったりと広いベッドが置いてあった。
「んむにゃ〜・・・。」
すでにスリープモードに入っているようだ。
しかし常に安定を求めて、残夏の膝の上で、もぞもぞとしている。
少し目を見開いていた残夏が、しばらく艶のある長い金髪を梳き、苦笑しながらひょい、と早乙女を抱き上げた。
「っしょ、ここだよね〜?寝室。」
パチン、と寝室の電気をつける。
出るところはしっかりと出ている早乙女は、細い残夏には少し重そうだったが、そんな素振りは一つも無く運んだ。
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