Ifの世界
□第2夜
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「よろしくねぇ〜。みけくん。」
「よろしくお願いします。」
しかし今までの人達よりもマトモそうだったからか、芙羽羅はようやく普通に話せた。
ふと、もう二人、話していない人達に気付く。
「えと、キミ達は?」
金髪で、左側の髪をピンで留め、学ランの下に『不良』と書かれたTシャツを着た可愛い男の子と、赤銅色の前髪を長くのばし、後ろ髪をリボンで束ねている少し妖しげな笑顔を浮かべた男性。
その二人の自己紹介はまだ聞いていない。
「四号室の渡狸卍里だッ!不良(ワル)だぜ!」
どうみても不良(ワル)には見えないのに・・・・・・微笑ましいなぁ〜。
「よろしくです。」
芙羽羅も微笑ましいと思ったのか笑みを湛えている。
あぁ、イジリ甲斐がありそう。
ゾクゾクする。
「渡くんっよろしく〜。」
「渡くッ!?そんな呼び方・・・・・・ッ!」
プルプルと怒りに肩を震わせたかと思うと、ドロン、と変化した。
可愛らしい、豆狸に。
「俺が豆狸だからってナメてんだろッ!」
「豆狸、だったんですか。」
ふんわり微笑んだ芙羽羅は悪気がなさそうだが、渡狸は、「言っちまった!」と、悔しがっている。
「ままま、よろしくね〜渡くんッ♪」
「お前ッ!」
「はーい、女の子に乱暴な言葉遣いしちゃ駄目ー。」
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