Ifの世界
□第6夜
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全員に、入る前に少し待ってもらい、リビングだけでも、と片付ける。約三分位で終えたことを誰か誉めて欲しい。
「入っていーよ〜!」
お邪魔しまーすとかなんとか、皆口々に挨拶をしながら入っていき、必要ないはずの、そこそこのサイズの鞄を置いていく。
六人の列の最後尾でついて行くと、先に入っていた野ばらが振り向いた。
「家具とか・・・全部風竜のブランドなのね。」
リビングに敷いてある黒の絨毯も、その上に置いてある座卓も、黒革のソファーも全て風竜のブランド物である。
芙羽羅のSSをすることになり、芙羽羅と初めて会いにいったときに、偶然待ち合わせ場所と店が近くだったので寄ってみて、かなり好きになったのだ。
それからは部屋の家具全て風竜のブランドでまとめている。
「そーだよ〜。わかるんだね〜。好き?」
「えぇ、ここの家具はシンプルだけどオシャレな雰囲気だから。」
と、家具の会話で盛り上がった後、一番重要なことを思い出した。
「お酒どーするの?今日冷蔵庫に少ししか入っていないよー?」
「心配は無用だ!」
ドーンと効果音を付けたくなる突然の蜻蛉の登場。
「持ってきているからな。」
さっき置いていた鞄の中からテキーラの瓶を机にのせた。
今度は物理的なドーンという音が鳴る。
わ、割れる・・・。
「ボクもだよー。」
と、注目の残夏のお酒は・・・。
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