Ifの世界
□第4夜
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「夏くんが呑みそうなのは……。」
フハハハ!私は無視か、悦いぞ悦いぞ!と言っている蜻蛉はほうっておいて、残夏の呑みそうなお酒を予測する。
しかしどこか掴み所のない残夏は想像しにくい。
「日本酒……とか?」
探りを入れるように尋ねてみるが。
「さぁ〜?どうでしょうかッ。当ててみてねー☆」
見事にかわされた。
残夏は口元に人差し指をあててにっこり微笑んでいる。
よく呑むお酒くらい教えてくれたっていいのに、当てろだなんて。
数十秒考えた結果を報告。
……わからない。だったら全部言ってみろ。(五七五風)
「うぅ〜…こうなったら思いつくもの、全部言うよ〜ッ!ウイスキー!シャンパン!カクテル!マッコリ!泡盛!はぁ…ラム酒!ワイン!芋焼酎!麦焼酎!えと……あ、ビール!ブランデー!もーう、コニャック!紹興酒!」
今パッと思い浮かぶお酒の名前を吐き出し、ぜぇはぁと肩で息をする早乙女に対し、涼しい笑顔の残夏。
「多すぎて何言ってくれてたのか、わかんない〜☆」
今日の夜に一緒に呑もうよ☆と誘いをかけられ、今までの苦労は一体…と呆然とした。
あの、と後ろから話し掛けられ、振り向くと、予想より上に顔があったので少し視線を上げる。
端整な顔立ちの笑顔があった。
「雷禅寺様は、おいくつなんですか?」
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