黒執事〜あくまで夢小説ですから〜

□生まれ変わる
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真っ暗な夜がまだまだ続く…



リシェルは銃を組み立て始めた




「おいリシェル。準備するの早くないか」



『準備が早いのにこしたことはないでしょ』



「ふっ、そうだな。」


男は不気味に笑った




本当に気持ち悪い…リシェルはそう思った


今から人を殺さなきゃいけないのに笑ってる…


こいつだって最初はこんなんじゃなかったのだ


人を殺すと普通じゃなくなるのだ


リシェルは何度も人を殺してきた


だが、リシェルには正気がある


リシェルは人を殺すたびに自分の腕をナイフで切りつけた


今は隠れているが、服の下の腕は包帯でグルグル巻きになっている


















































しばらくして…………


ターゲットがやって来るという情報を受けた



リシェルは無心になるよう深く呼吸した


ドクン…ドクンッ!


『っ!?』


突然血がドクドクと脈を打つ



「(おいっ!どうした?」



男は小声でリシェルに聞く


リシェルは首を横に振り、なんでもないと口を動かして声を出さずに伝えた



『―― これはまさか……? ――』



リシェルはこの感覚に覚えがあった



脈はどんどん速く大きくなっていく…





するとターゲットのシエルとその執事がやって来た




『―― 子どもと男一人……
あの男のこの感じ………終わったな… ――』




その瞬間暗殺者たちが一斉に飛び出し、二人にナイフや拳銃で襲いかかった




『―― 私達……… ――』




だが、一斉に襲いかかった暗殺者たちはバタバタと倒れた



その中で二人だけが立っている



男がじっとこちらを見ていた



リシェルの隣にいた男は軽く怯えた様子でガタガタと震えながら銃で撃つ



リシェルは冷静に何にも怯えずシエルには当てないように、そして男にギリギリ当たらないように撃つ



男は物凄い速さで弾を避ける




「(お、おい!リシェル!ちゃんと撃ってるのか!?手、抜いてねぇだろうな!?」



リシェルの隣の男がリシェルに問う




だがそれに対してリシェルは冷静に



『うるさい。集中できないでしょ。』



と言った




「(なっ!?お前、何でそんな普通に話してんだよ!?




『はぁ…あんただってわかってんでしょ?あの男、こっちの存在に気づいてる。だったら別に小声で話す必要もない。』




リシェルはまた撃ちだす




なるべく全部、弾が無くなるように…






そして最後の1発





男は弾を避けず、キャッチした




『―― えっ……なんで? ――』




別に男が弾をキャッチできることに驚きは無いが、なぜわざわざ取ったのかがわからなかった



気がつくと周りはみんな倒れており、残るはリシェルとその隣の男だった



隣の男はまだびくびくしている



弾をキャッチした男はその弾を、リシェルの隣の男に投げ、当てた



「ぐ!」



声を上げて隣の男が倒れる



弾を投げた男はシレッとした顔でシエルの元へ歩いて行った



リシェルは1歩後ろに下がった



『―― あの二人……きっとこっちに来るでしょうね…――』




そう思っているとシエルは男に抱えられてリシェルがいる建物の屋上に飛んできた



地に降り立ちシエルはリシェルの方を見た



シエルを間近で見たリシェルは、なんとなくホッとした



そしてリシェルはその場に座り込んだ



持っていた銃を投げ捨てリシェルは口を開いた



『もう…弾は残ってない……殺るなら、殺って』



シエルは拳銃を持ったままリシェルに近づいてくる



シ「逃げもしなければ、命乞いもしないのか?」



『そんなことしたって見苦しいだけですから。』



シ「フッ、わかってるんだな」



カチャ



シエルはリシェルの額に銃口を向ける



リシェルは目をゆっくり瞑った



人生の幕を閉じるように……



パンッ!
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