あお。
□後ろの席の彼
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不意打ちのキスA
真夏のうだるような暑さの中でも授業は淡々と行われる。
あまりの暑さにじっとしてるだけでも汗が吹き出てくる。
わたしはじっと暑さに耐える。
後ろに座っている大輝は珍しく起きているようで、シャーペンの走る音が聞こえる。
たまに窓から大きな風が入って来ては、カーテンを膨らませたり波立たせたりする。
こんな時ほど窓側の席で良かったと思うことはない。
ぶわっ…と、また大きな風が入って来る。
カーテンも合わせて大きく膨らむと、わたしと大輝を包んだ。
視界は突然真っ白になる。
強くて優しい風が長く続いてカーテンはなかなか萎まずに、わたしたちを包んでいる。
突然後ろから肩をつつかれて振り向く。
大輝はニヤリと笑ったかと思うと、ほんの一瞬だけわたしの唇を塞いだ。
唇から離れた大輝はまた笑う。
「こういうのドキドキしねぇ?さつき」
夏がずっと続けばいいのに。