あお。

□大ちゃん先生
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わたしはファンなんかじゃない。
他の女子たちとは違う、本気で好きなの。


「さつきって好きな人いる?」

「んー、いない」

「彼氏作らないの?」

「んー、いらない」

そんな話を友達とする昼休みは、わたしの嘘で塗り固められて行く。

好きな人の名前を言えたら、どれほど楽だろうか。
こんなこと許されない。片思いですら、許されないことなのだ。

大ちゃん先生は雲の上の人。


チラッと外を見ると、既に大ちゃん先生と男子の姿はなかった。
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