愛玩人形

□僕の好きな人
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「あのさ、やっぱ昨夜は何かあったんじゃないのか?何時もと違うし」

「え?豊こそあんな酔っ払って何かあったんじゃないの?」

「俺は…うん、トコトン呑みたい気分だったから」

「そうなんだ?珍しいね」


何時もならGACKTさんと逢った日は何処に行って何をしたのか楽しそうに一部始終話すのに、今日はそれがない


溜め息ばっかで元気もない


これは絶対何かあったと思う



「俺の事はいいからさ、翔は?」

「……帰りの車でキスされた」

「え…」

「今誰とも付き合ってないなら付き合おうって言われて…でも、僕は好きな人が居るって言っ…」



まさかの展開に言葉が出なかった


相手が悪すぎる


そして、次いだ言葉のある単語に思考が停止して翔を床に押し倒した



「………好きな人?」

「ゆた…?」

「好きな人なんて…何時から?誰?」

「ずっと前から僕は…っ、んっ」


翔は何か言おうとしてたけど聞いてやる余裕がなくて、唇を重ねて塞いだ


「…まだ翔には早いかなって思って我慢してたんだけど好きな奴とか…ゴメン、俺渡したくない」

「豊…あの、僕…」

「…翔が誰かを好きになったんなら応援してやるべきなんだろうけど、応援なんか俺は出来ない…」


聞くんじゃなかった


翔には好きな奴が居る…一体誰?


他の誰かに奪われるくらいなら俺が…


ふと、何かを思い出した俺はポケットから瓶詰めされた液体を取り出して少量を口に含む


再度翔に口付けて、ソレを口移しで流し込んだ


翔がソレを飲んだのを確認すると口を離す



「はぁ…はぁっ…な、に…」

「翔は媚薬って知ってる?」

「媚、薬…?」


それは昨夜研二から貰ったモノ


翔は媚薬と聞くなり顔を真っ青にして不安げに俺を見上げる


そんな翔の頭を撫でてやりながら俺は服を脱がせていくと、露になった首筋に顔を埋めて唇を這わす


首筋から鎖骨へとキツく吸い付いて何ヶ所にも痕を刻んで紅い花を散らしていく


片手を滑らせ、胸元をまさぐるように触れる


白くて滑らかな肌に一際目立つピンクの突起をキュッと摘み上げてみる


「ぁんっ……止め…豊っ!」


いやいやと俺の躯を両手で押してくるけど、その真っ赤な唇から漏れ出す声に更に欲情してしまう


「ちょっと触っただけなのにそんな声出しちゃって…止めろって方が無理だろ」
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