愛の巣

□交換条件
1ページ/4ページ

「あーっ!皆で後で分けようって言ったのに狡い!!」

「早い者勝ちだろ」


リハを終えた控え室


俺はスタッフさんからの差し入れのお菓子を物色していた


するとそこに打ち合わせを終えた翔が戻ってきた


同じものではなく、一つ一つ種類が違うから後で皆で公平にじゃん拳で決めるつもりだった


だけど、箱を開けてみるなり所々何かが減っている


研二辺りが我慢出来なくて食っちまった後だろう


「もう既に減ってるけどな」

「ええっ!僕楽しみにしてたのに…」


開いた箱を見せればガックリ項垂れる翔


お目当ての大好きなチョコ系を取られ
ていないか気が気ではないらしく、慌てて寄ってくる


何て分かりやすい奴なんだ


「あ」

「え?」

「いや、何でも…」


翔が中を見る前に見つけちまった


焼き菓子系統が多い中で唯一残っていたホワイトチョコ


それを咄嗟に手中に隠す



「あーやっぱり残ってないか…残念ι」

「そんなに食いたかったの?」

「このお店の新商品!雑誌にも載ってて直ぐに売り切れちゃうから滅多にお目にかかれないモノなんだ」

「そっか…だったらコレ、なーんだ?」

「あぁっ!」


相当レア物らしくて悔しがり方がハンパない


このままだと可愛そうだから俺は隠してたチョコを出して見せた


翔にとっては魅惑的な代物


それが目の前で揺れ動いているからキラキラ輝かせた目で追っている



「いいなー…食べたいなぁ… ねぇ一口で良いから僕にちょうだい?」


甘いモノ大好きな翔は早速おねだりモード


腕にギュッと抱き付いて上目遣いで要求してくる


俺はコレに弱い
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ