愛の巣

□ご褒美
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「ゆーた」


屋上で寝っ転がりながら一服してたら聞きなれた声が降ってきた


「んぁ……翔?」

「居ないと思ったらまた‥禁煙すんじゃなかったの?」

「息抜きだよ、息抜き。お前以外は誰も見てねぇからバレないだろ」

「そうだけど、3ヶ月我慢するって約束したじゃん」


先週のメンバーとの飲み会で、酔った勢いで宣言した3ヶ月の禁欲生活実地中


その場のノリで翔も付き合わせて二人で頑張ってた


俺は禁煙、翔はマックとチョコを封印


何日かは我慢出来てたけど…3ヶ月なんて絶対無理!



「約束は約束だから…えいっ」

「あーっ!ちょ、翔…っ…何やって……!?」

「……んっ、没収」

「うっ…バカ///」


何を思ったか翔が寝転ぶ俺の上に馬乗りになってきた


そして、俺が新たに火を着けようと加えた新しいタバコをポッキーゲームの要領で奪い取る


徐々に近付き唇が触れる直前でピタリと止まって寸止め


超至近距離


「僕だって頑張って耐えてんだからさ‥豊も我慢しないとメッ!だよ」

「っ…〜…出来るに決まってんだろ!!」

「はい、素直で宜しい♪」


とか言って満面の笑みで離れていく


その笑顔も可愛いじゃねぇか‥チクショー


今ので心臓壊れそうになってるし‥タバコ所じゃない


「本当に我慢出来たらご褒美あげよっか?」


まさかの言葉に俺は起き上がって翔の華奢な肩を掴んだ


「ご褒美ってマジ!?」

「わっ、‥マジだよ!何が良い?」

「なら俺、本気で我慢するからな」

「うん、頑張ってね!」

「頑張るから‥さ、俺と付き合ってくんね?」

「え?」

「ご褒美には翔が欲しい。耐えきれたら付き合おっか」

「へ?付き合うって…何処に?トイレなら今でもいいよ」

「その付き合うじゃねぇよ!俺はお前が好きなんだってば」

「僕も好きだよ?両思いだね。あ、親友だから当たり前か」


…コイツ…マジか


loveじゃなくてlikeで捉えてる


こんな具合で俺はずーっとかわされている


そういう所も可愛くて好きなんだけど、そろそろ限界な訳で‥



「もう!俺が言ってんのはこういう事…」

「へ?ぁっ……Σ!!!」


チュッと軽く触れるだけのキス


突然の出来事に口をパクパクさせてアホ面で俺を見上げる翔



「…分かった?後3ヶ月でお前を俺のモンにするからな」


それまでに絶対に惚れさせてやる


誰にもやんねぇから覚悟しろ!鈍感サメ歯

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