愛の巣

□お触り電車
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「うっそ‥疲れてるのにこんな混んだ電車って…何の嫌がらせ?」

「あははっ今が丁度ラッシュだもんなぁ」

「笑い事じゃないよコレι今日こそはゆっくり出来ると思ったのに‥」

「あ、じゃあホテル行く?」

「バカ」



収録帰りに大好きなキリちゃんと二人で買い物デート


久し振りに一緒に仕事して俺はテンションMAX


対するキリちゃんは超多忙でお疲れモード


余程眠たいのか電車を待ってる時にコクリコクリと船を漕ぎ出して、立ったまま寝ようとする無防備な姿が可愛い


眠気とストレスでちょっと機嫌悪くて素っ気なくなってるけど…俺、めげない


思った以上に買い物が長引いて色んな所に連れ回したから帰るのも当然遅くなる


ホームに着いたぎゅうぎゅうすし詰めの電車を見たキリちゃんの顔が引きつる


OLさんやサラリー マン達の御帰宅ラッシュに当たってしまった


めちゃイケに出てくるあの酔っ払い集団が乗ってるやつよりキツそう


此に乗んのは勇気要るなι


「今から30分の我慢…出来る?」

「‥ぅー…長いけど頑張ってみる」

「ん、良い子良い子。危ないから俺の傍から離れないでね」


よしよしと頭を撫でて覚悟を決める


はぐれないように小さな手を握った瞬間、扉が開いて俺等は無理矢理押し込まれた


キリちゃんは扉の脇にある手摺りを手探りで掴んでしがみつく


「‥想像以上にきっつぃ…」

「スッゲェ混んでる〜キリちゃん大丈夫?俺が守ったげるから頑張って耐えて」


小柄で華奢なキリちゃんが潰れないようにと俺は身体を張って人混みからガードする


そんなこんなで自然とぴったり密着してしまう


俺にとっては願ったり叶ったりな展開だ
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