愛の巣
□愛情確認
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「ねぇ…まだ怒ってんの…?」
予定より早めに取材を終わらせて出来た空き時間、俺は翔と飯を食っていた
別取りの淳君と研二抜きで楽屋で二人っきり
何時もなら邪魔者も居なくてテンション上がんだけど
今回は違う
俺は今最高にイラついてる
しかも最愛の恋人であるコイツに…
「お願い…何か反応してよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ちっこい目をウルウルさせて翔は俺のシャツの袖を掴んで引っ張る
何て声を掛けられても、何度名を呼ばれても全てスルー
今では懐かしいア●フルのチワワみたいにこっちを見てる
くっそ可愛い!!
ホントは今すぐギュッてしてやりたい
でも今は可愛そうだけど無視
かれこれ一時間はこの状態
翔は翔なりに機嫌を取ろうと頑張ってる
もう少ししたら二人も戻ってくるし、ラジオも始まる
このままなのは如何なものか
「………あのさ」
「えっ何?」
「俺と居るより淳君と居る方がそんなに楽しい?」
「……はい?」
重苦しい空気に痺れをきらしたのは俺
原因のもう一つは淳君
逢って早々二人でマックに直行
移動中もずっと淳君と仲良く話してんの見てイライラ
俺が居んのに何で淳君?
こうしてまともに逢うのも久し振りなのに
「普通に話してるだけだよ?マックカード貰ったんだ」
「ふーん…2人で楽しそうにどんな話してたんだよ?」
「どんなって、淳君のお店の事とか相談事とか色々」
「色々ね…俺にも言えない話してんの?」
「え?言えないっていうか、その…」
…ん?何だそのあからさまな反応
急に目ぇ逸らして口ごもる
色々って何だよ!?