愛玩人形
□chocolate
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「ゆーたぁー」
「ん?」
「もう3時だよ」
「だから?」
「甘くて美味しい僕の大好物‥そろそろ下さいな」
「…そんな可愛いおねだり何処で覚えてきたんだよ」
「んー?内緒…ねぇ早くぅ…お口にちょうだい」
「翔がチューしてくれたら食わせてやるよ…」
さっきからそわそわして落ち着かない
時計の針が午後3時‥おやつの時刻を報せると猫みたいに甘えて擦り寄ってくる
別に酔ってる訳じゃなく、完全な素面
アルコールが入ってる時以外でこうして絡んでくるのはおねだりモードの時だけ
翔はお目当てのモノを得る為なら手段は選ばない
嬉々とした感じに俺の首に腕を回してくる翔はめっちゃ可愛い… 押し倒しちゃいたい
ちゅっ、可愛らしい音をさせて翔の柔らかい唇が俺の唇に触れる
たまらなくなって舌を出せば、翔の肩が驚いたようにピクリと小刻みに揺れる
舌と舌が触れれば今度は積極的に絡めてくる‥このまま喰っちまいたい
「‥んぅ…ッ…ふぁ、満足‥‥?」
「その顔エロくて好き…おやつの前に運動しよっか」
「ぇ…‥ヤだァッ…そんな気分じゃないからダメ」
「イヤなの?キャン様の言うことは絶対だから翔は逆らっちゃダメなの」
「何そのルールι僕はさっきのアレが欲しいだけだもん」
「じゃあ先に食ったら俺の相手してくれる?今ので勃った」
「豊が研二さん化してる;;‥‥口でならシてあげる」
「下のお口以外はヤだ」
「…ですよね」
完全に理性を手放した俺はバックを漁って翔のお目当てのモノを取り出す
移動中に立ち寄ったコンビニで、店員さんがサービスでおまけしてくれたチョコ
甘いモノ大好きな翔の為におやつに取っといたんだけど…
「うっわー最悪」
「どうしたの?」
「非常に残念なお知らせがあります」
「何?」
「ドロドロになってアウトなんだけど」
「ええっ!!??」
最近は暖かくなってきたし、車内に置きっぱだったのも悪かった
放置されてた板チョコは見事にドロドロになってて残念なことに
かなり楽しみにしてたから落ち込み具合が尋常じゃない
翔は恐る恐る包装紙を剥がしていく
チョコを直接包んでいる銀紙を開けば、溶けて柔らかくなったチョコに見事に張り付いている
「あー勿体無い」
「・・・・・・・・・・・・」
ソレを指で掬う様子を見て思い付いた
無駄にはしない…有効利用して美味しく食わせてやるよ