愛玩人形

□愛猫
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「しょーお?」


俺が優しいトーンで名を呼ぶと、ビクッっと肩を揺らす翔


可愛い可愛い俺の飼い猫…基、将来の嫁さん



「な、なぁにー?」

「可愛く言ってもダメ」


まだ眠たい目を擦りながら小首を傾げて見上げてくる翔は確かに可愛いけど、今日という今日は許せない


天然な所もあるから少しくらいの失敗や暴走は余裕で許すよ?


でも、今回のはマジで…うっかりなんて事では済まない




「何で研二とキスしてたのか聞いてんだけど」

「……したんじゃなくて、された?みたいな…」

「一緒じゃん」

「違うよ、全然違う」


うん、今の会話だけなら翔に非はない


寝ている間に唇を奪われたんだから記憶にもないのは当然


研二は基本淳君狙い…だけどもあわよくばって感じで翔も狙ってるっぽいから厄介だ


普段からボディータッチも激しいし隙あらばガンガンいく感じ


ただ興味をもつ分は別に構わない


だからと言って大事な翔に手ぇ出すのはどうかと思う


油断してた俺も悪いんだけどさ…


俺が許せないのはキスの件だけじゃない


百歩譲って事故ということにしてやらなくもない


決定的だったのが、これ



「よく俺以外の奴を軽々しく部屋に泊めたり出来るよな」

「遅くまで飲んでたから。バイクで流石に帰す訳にはいかないじゃない?飲酒運転で一面飾っちゃうなんて事にもなるし…」

「それで朝まで二人きりだったんだ?」

「え?うん、お互いぐっすり爆睡してた」


翔はそうでもアイツは違うよ


オフだって聞いてたから朝イチで来てみると、寝ている翔にキスしてる研二と鉢合わせた


殴る間もなく颯爽とヤり逃げしてったから余計に腹が立つ


翔って何でこんな無防備なの?


隙だらけなのは歯だけにしとけよ


最初はそこが可愛くて放っとけなくて、好きな所だったんだけど今は憎い


だからこそ、どんな理由があろうと…



「…お仕置き決定」

「えっ!?」
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