* change of heart *
□7話 三色の邂逅
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「知ってる奴もいるだろうけど、今日から短期の先生が来る。ちゃんと話を聞けよー。
うちのクラスの担当は、シンオウ地方のリーグを優勝したことがある人だ」
『シンオウリーグ優勝』の言葉にざわめき立つ生徒たち。
「じゃあ、入ってきてもらいましょーか。
どうぞー!」
戸を開けて入ってきたのは後ろで纏めてある黒髪に青い瞳を持った中性的な顔立ちの青年。
「初めまして! 俺の名前はセツナ。
…教えることは苦手だけど、今日からfirstクラスを担当するよ。みんな、よろしくね」
「「「よろしくお願いしまーす!」」」
生徒たちの反応を見て満足そうに担任は頷くと自己紹介をするようにセツナに促した。
「俺はシンオウ地方のキッサキシティ出身なんだ。今は18歳。趣味は絵を描くこととカラオケ。他に何か質問があるなら遠慮なく聞いてね」
セツナが言い終わると一人の生徒が質問した。
「セツナ先生がトレーナーを目指した理由は何ですか?」
「先生って呼ばれるのは何だかくすぐったいね。…小さい頃から父さんのトロフィーやバッジを見て育ってね。それからトレーナーになりたいって思ったんだ」
どの生徒もセツナの話に耳を傾けていた。
すると次はヒイラギが手を挙げた。
「先生の手持ちを見せて下さい!」
「俺の今の手持ちはリーグ優勝の時のじゃないけどいいかい?」
「はい!」
「ファング、シル、ジライヤ、出てきて」
セツナは三つのボールを宙へと放る。
順にリザードン、アブソル、ケロマツの三匹が出てきた。
おぉー、と感嘆の声が教室を包む。
「今日は合体技を教えるから、みんな外に出るように。 他に聞きたいことがあったら直接来てね」
firstクラスの生徒は返事をしてセツナを先頭にぞろぞろと教室を出て行く。
普段なら面倒くさがるツバキも素直にバトルフィールドへと向かった。