* change of heart *
□4話 vsテスト
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この沈黙を破ったのは親友のミズキだった。
「…はぁ、理由は何でもいいけど。あたし個人としての忠告な、ツバキには注意しとけ」
「え…、なんで?」
ツバキくんに注意? 何か危険って事かな。
「上手く言えないんだけどさ…。とにかく注意するに越したことはないから」
「うーん、気をつけとく」
真剣な顔で話す親友を見て注意しとこう、と心に留めておいた。
「そうだ、部活はどう? 勝てそう?」
ふと思い出したことを口にする。
今回のテニスの大会は大きいらしく色々な地方の人たちが参加するらしい。
「微妙かな、でも勝つよ。 カエデは自分のテストの事を心配しな」
「あぁ…うん…」
そうだった、テストがあるんだ…。ツバキくんの事で肝心なテストをすっかり忘れてた。
「ツバキに教えてもらうんだろ?」
「うん」
さっき注意しろ、って言われたけど考え方は変わらなかった。
「そっか。頑張れよ」
「うん、ありがと! でも教えてもらえるかな?」
「無理だろうな」
「そんなにキッパリ言わなくても…」
でも面倒とか言って教えてもらえないだろうな。そしたらテストの点が悪くて卒業出来なかったらどうしよう…。
キーンコーンカーンコーン
最悪の事態を考えていると昼休みの終了を告げる予鈴がなる。
「戻るか」
と席を立って歩き出すミズキ。
「あ、うん」
慌てて私も立ち上がってミズキの後を追いかける。
なんかツバキくんの話になるとミズキ冷たくなるなぁ。firstクラスの方で何かあったのかな?
小走りでミズキに追いつくと私たちは各自の教室へと向かった。