* change of heart *
□3話 休日の過ごし方
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「アオバさんがペアか。遅れたら説教だな」
苦笑いしてベッドから起き上がる。
アオバさんの説教は怠いし長い。
この前、そんなんだから彼氏できねーんだよって言ったら気に障ったらしくガチで攻撃してきたっけ。
綺麗な方だから黙っとけばいいのに。
それ言ったらまた怒られるんだろーけど。
ボールの中を見るとみんな寝ていて流石のサーナイトのフィルも休みの日だからまだ起きていない。
飛行タイプ持ってないからロズト研究所に行くには電車だな。朝飯も途中で買って食えばいいか。
みんなを起こさないように着替えるとボールを持って家を出る。少し肌寒いが太陽の光が温かく心地よい。
カフェの前を通ったときにふと昨日会ったカエデを思い出した。
そういえばあの後凄い勢いで謝られたな。
つーかグランブルのトレーナーにキレた時にきょとんとしてたけど分かってなかったのか?
そもそも今回のトレーナーズスクールの転校はラグナの命令なんだよな。
何がしたいか見当がつかないけど。
電車に乗りロズト研究所のある町に着く。
その間にみんなは起きて朝ご飯を済ました。
「確か集合場所はここら辺だったな」
この町の外れの森の奥、分かりにくく誰も行かないような場所にロズト研究所はある。その付近でアオバさんの姿を探す。
「今日は来たな」
背中までかかる長い薄い青い髪に同じ色をした瞳を持つ人物、アオバさんが木の陰から姿を現す。
年は聞いてないけど多分紫蘭さんと同じくらいだろう。
「いつもサボってるみたいに言うんじゃねえよ」
「本部での会議は出席しないのにか?」
「うるせぇな。作戦会議するんだろ?」
アオバさんはこちらに歩いてくると研究所内の設計図とここら辺の地図などを広げて一通り作戦の内容を話す。
「理解したか?」
「馬鹿にしてんのか?余裕だろ」
アオバさんとの適当なやりとりをして作戦会議を終える。
今回の任務は簡単だな。アオバさんもいるし作戦も問題ねえだろ。
ボールの中の三匹を見る。
今回もお前らの手で命を奪わないからな。
任務は面倒だけどポケモンたちの命がかかってる。失敗はできない。
じゃあ行きますか。離れた位置で準備を終えたアオバさんに目で合図を送る。
「「任務、開始!!」」