* change of heart *
□8話 カエデの修行
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*カエデside
グレイというthirdクラスの短期の担任と揉め事になってから約二週間。
現在、夏休みである。
あの日の翌日から親友のミズキが学校に来なくなった。
何度も連絡をしたのだが一向に応じてくれない。
後で先生に聞いた話なのだが、secondクラスの短期の先生がずっと探していたミズキのお兄さんだったらしい。
ただあの日の事は思い出したくない。
ツバキくんに泣き顔を見られたり、グレイさんに怒鳴られて怖かったり。
そして一番はみんなのボロボロになった姿。
もう二度とあんな思いをさせたくない。
そして今はそのためにツバキくんとフィールドにいる。
流石に沢山のトレーナーが集まるシューレン地方だけあって広いフィールド施設は充実していた。
「ここでバトルの練習するの?」
「そう。正確にはバトルの練習じゃないけどな。早速だけどお前のポケモンを全員だせ」
「フリージア、ガーベラ、スターチス、出ておいで!」
3つのボールを宙に放り投げる。
順にチルット、ガーディ、ゴーストが出てくる。
「ツバキくん、よろしくお願いします!」
「おう。まずはそれぞれにコーチのポケモンをつける。タイプや覚える技とかを考えて組み合わせて各自で練習させる」
「私は?」
「勉強。色々なポケモンのタイプとか特性とかを覚えてもらう」
「うっ……分かった…。…ツバキくんが教えてくれるの?」
「いや、オレは別行動だからお前は自習」
「が、頑張るよ…」
「ああ、頑張れよ」
優しく微笑みかけてくれるツバキくん。
うん、頑張れる気がするよ。
ツバキくんは自分のポケモン達とポケモンの参考書を置いていくと本当に去ってしまった。
ツバキくんのポケモン達は指示があったのか私のポケモン達と一緒にそれぞれ練習に向かっていった。
私も受け取った参考書と共に木陰に向かった。