* change of heart *

□7話 三色の邂逅
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*ツバキside


太陽は無情にもアスファルトを照らしつけ、過ごしやすかった季節からツバキが得意でない夏へ移行していく。
澄んだ青空にはひこうタイプのポケモンが優雅に空を飛び回っていたり、木々に止まりさえずっていたりした。

ツバキはそんな朝、教室の窓辺でレンと話していた。

「今日から新しい先生が来るの知ってる?
短期で来るんだって!」

「いや、知らねえ。こんな半端な時期に来るのか?」

バトルフェスが終わり、あと一、二週間で夏休みが始まろうとしていた。
だから半端な時期、とツバキは言う。

「そうみたいだね。三人来るらしいよ。
みんな、ここのスクールの卒業生だって!」

シランさんやサクラさんもここのスクールの卒業生だった筈だ。
二人ともfirstクラスだったとか。
でもカフェの仕事があるからその二人ではないだろう。

「三人ってことは一人一クラスか?」

「うん、そうらしいよ。どんな人が来るんだろうなぁー」

「どんな奴でもいいだろ。まぁ、強いて言うならバトルが強い奴がいい」

「なんか、ヒイラギ君みたいだね。染った?」

「強いて言うなら、だ。同じにするんじゃねえよ、ったく」

ガタンと椅子から立ち上がる音。
その音を出した張本人はずんずんとツバキの方へ向かって来て怒鳴りつけた。

「テメェら人をバイ菌みたいに言うな!」

「あはは、ヒイラギ菌!」

「レン、テメェぶっ飛ばすぞ」

来たのはやはりヒイラギで。
殺意のある眼差しでレンを睨みつけていた。

「ごめん、ごめん。冗談だよ。そんなに怒んないでよ」

「全く、ふざけるのも大概にしろよな。
つーかお前、最近ツバキに似てきてるぞ」

「そうかな?」

そんなやりとりをしているとfirstクラスの担任が教室へ入ってきた。

「おーい、お前ら席につけー!」

担任の呼びかけで生徒はそれぞれ自分たちの席へと戻っていく。
 
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