* change of heart *

□4話 vsテスト
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*カエデside



あのツバキくんとヒイラギくんのバトルから一カ月半経った。

変わったことと言えばツバキくんに話しかける人が多くなったことだ。
バトルのコツとか育て方とか部活勧誘とか。ツバキくんは全部相手にしてないけど…。

相手にしてないって分かってるのに女の子とツバキくんが話すのを見るとモヤモヤする。

「はぁ」

何か嫌だな。
こんな嫌な感情を持ってるのが…。
けれど私はこの感情を胸の奥にしまう。

そんな考え事をしながら私はスクールへと向かう。けれどその足取りは重い。

悩みはこれだけじゃないんだよなぁ。なぜなら来週はテストがあるんだよね。
勉強苦手なんだよなぁ。ミズキに見放されそうになった位だから…。
ミズキは部活のテニスで大会が近いから教えて貰えない。
あ、そうだ!ツバキくんにダメ元でも頼んでみよう!

そう決意した私は丁度見えてきたスクールへと駆け足で向かった。






昼休み

食堂にて

「ミズキ、相談があるんだけどいい?」

「もちろん。で、どうした?」

ミズキと一緒に昼食を済ました私は場所を変えずに相談を持ちかける。
向かいの席に座っている親友にツバキくんに勉強を教えてもらう事について聞いてみた。

「………」

「えーと、何で黙っちゃうの?」

ミズキに話してみると何故か黙ってしまった。
なんでだろ?なにかマズかったかな。
ミズキは眉をひそめて少しの間だけ黙った後に口を開いた。

「…何でツバキに?」

「ミズキ以外でfirstクラスの知り合い、ツバキくんだけだもん」

あえてヒイラギくんは外す。一応、心の中で謝りながら。

「仲いいの?」

「え…? うーん、微妙?」

そう言う私を見てミズキはため息をついた。

「やめとけば?良いことないよ」

「で、でも私はツバキくんと仲良くなりたいの!」

私は言い終わった後にハッと言葉の重さに気づく。

「えっと、違うの!そ、そんなに深い意味じゃなくて、一緒にバイトしている仲だから、も、もうちょっと仲良くなりたいって思ってるだけで…!」

明らかに不自然にペラペラと喋ってしまった私。
それを怪訝そうに見つめる親友。

暫くの間沈黙が続いた。
 
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