* change of heart *
□3話 休日の過ごし方
1ページ/10ページ
*ツバキside
オレが転校した次の日。
始業式は数日前に終わったらしくまだ暖かい季節。
今日は土曜日、ゆっくり休んでカフェの手伝いをする
筈だった。
ライブキャスターの着信音で目が覚める。
寝ぼけ眼で画面を見るとメールの着信が一通。差出人は「ラグナ」。
最悪…。
ラグナ…。8年前にできた少人数の精鋭が集まる組織。有能な子供を捕まえて訓練させ戦闘員として働かせて、犯罪組織を潰している。
そしてオレの母さんの命を奪った敵でもあり現在オレが所属している組織だ。
オレはラグナに復讐するために努力し訓練を受け強くなった。そこまで良かったがラグナは日々犯罪組織を潰していく。
本当にラグナは良くない組織なのか。ラグナのお陰で助かったポケモンは数え切れない程いる。
オレは日が経つにつれてどうしたらいいか分からなくなっていた。
気になっていたメールの内容を確認する。
「前とたいして変わんねぇな…」
内容は
ロズト研究所の資料の強奪及び実験施設の破壊。尚資料は18時に組織の者が取りに来るがそれまでの資料の開封を禁止する。
とのことらしい。
ロズト研究所といえばポケモンの違法実験を繰り返している犯罪組織だ。けれどその資料ってのが気になる。
こういう事をするから分からなくなるんだ。
舌打ちをして時間を確認すると時計の針は9時を指していた。
もう少し寝てたいんだけどロズト研究所は遠いから早く出なきゃな。
「あー、やっぱ無理。眠い、怠い、面倒」
もう一度寝ようとすると今度は電話の着信音。その主はアオバさん。出なきゃ後で説教なので仕方なく出る。
『貴様、二度寝しようとしたな』
「テメェはストーカーか!?気持ち悪っ!!」
『鎌をかけただけだ。そんな事より今日のペアは私だからな』
「は!?いつもは単独だろ!? 」
『今回は規模が大きいからな』
「じゃあ仕方ねえか。そうだな、11時に現地集合で」
『分かった。だが、そんなに私とのペアは嫌か?』
「説教が怠い。それだけ。他の理由だ、ってごちゃごちゃ考えてるんだったら怒るぞ」
返事を待たずにライブキャスターの終話ボタンを押して溜め息をつく。
アオバさんはオレを誘拐された時の青髪の女だ。赤髪の男、オレの母さんの命を奪った奴の洗脳を解くためにラグナに入ったらしい。
母さんの敵はこの組織だから余りアオバさんを責めようとは思わない。
まぁ彼女は責任を感じているらしいが。