* change of heart *

□6話 バトルフェスティバル!
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次の日。
バトルフェスティバル当日。


早朝、スクールのグラウンドには生徒200人が集まっていた。そこには10ものバトルフィールドがある。
教頭っぽい先生が大会の説明をしていた。

「えー、今年もバトルフェスティバルの予選は各クラスの生徒がペアになって行います。まぁ、いつものタッグバトル形式です。
去年と同じようにペアはくじ引きです。運も実力の内、とも言いますからねぇ。
あー、ルールですが二対二で片方のペアのポケモンが二体とも戦闘不能になったら負けとなります。
thirdクラスから順番に試合となります。分からないことがあったら担任の先生方に聞いて下さい。えー、では皆さん健闘を祈ります」

では解散して各クラスで集まって下さい。と言い終わると生徒たちは各担任の元へと集まっていく。
話しが長げえよ、バーコード教頭。殆どの生徒が聞いてねぇし。

周りと同じく自分のクラスのとこへ行こうとするとヒイラギが絡んできた。

「よお、ツバキィ! 今日は負けねえからな!」

「あぁ、そう」

「俺はライバルとして言ってんだ! 少しはリアクションしろよ!」

「オレはお前をライバルとして見てねえよ。やりたきゃあ一人でやってろ」

その言葉を聞いたヒイラギは怒りを露わにして右ストレートを繰り出してきた。
難なくかわして素早く足を引っ掛ける。
ズサァァッッとヒイラギが漫画のように見事に転けた。

「はっ。ライバルより噛ませ犬の方がお似合いなんじゃねえの?」

「っ!!! テメェはどこまで馬鹿にすれば気が済むんだ!」

すぐに起き上がり掴みかかる。そんなヒイラギを冷静に見据えるツバキ。
何事かと周囲の野次馬が集まってきた。
ヒイラギがいつ殴りかかっても可笑しくない状況。
その時に突然、カエデが割って入ってきた。

「ヒイラギくん、ストーップ! 殴っちゃ駄目だよ!」

「っ! カエデちゃん、悪いけど邪魔するな! オレはコイツを何が何でも殴る!」

「ヒイラギくん、落ち着いて!」

「バトルが勝てないからって暴力か? とんだ野蛮人だな」

「ツバキくんも煽るのやめてー!」

カエデがいくらなだめても二人は全く言うことを聞かない。どうしようかと悩んでいたカエデはハッと何かを思いついた。
けどカエデにとっては苦肉の策らしくちょっと躊躇してから提案した。

「 さ、thirdクラスの試合、始まっちゃうから見に来てよ!」

ぴたっとヒイラギの腕が止まる。そしてツバキを掴んでいた手を離し舌打ちをした。

「勝ってライバルだって認めさせてやるからな! カエデちゃん、悪いけど先行ってる」

言い終えるや否やthirdクラスのバトルフィールドへと足を進めていくヒイラギ。

その姿が見えなくなるのを確認すると右隣にいるカエデに話しかけた。

「余計なことすんなよ」

「余計なことって…あのままじゃ殴られてたかもしれないよ!?」

「そしたらアイツが棄権なったかもしれねえだろ? 面倒な試合が減るし悔しがるアイツの顔も見れる。一石二鳥だろ」

「とことんヒイラギくんの事が嫌いなんだね。私そろそろ行くね。ツバキくんも来てくれる?」

「行かねえ」

「あはは、やっぱり? じゃあ頑張ってくるね」

小走りで人混みへと消えていく彼女の姿を見送ると自分も反対方向の人混みのいない方へと足を進めた。

「……ライバル…ねぇ」

周りが聞き取れないほど小さな声でぽつりとツバキは呟いた。
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