チロルのBook

□二人だけの帰り道
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今は、フェアリーテイルからの帰り道。
何時ものように、皆で騒いで踊った何にも変わらない日。
でも、今はいつもとちがうことが一つ。
それは、ルーシィの帰り道にグレイが隣で歩いていることだ。
ルーシィは隣で歩いているグレイの顔を覗き見た。グレイは無表情のまま前だけを見つめている。
それを見てルーシィも前を向き、寒いなぁなんて考えながら帰路を歩き続ける。


「ハァ…。寒いな……。」


と、口から息を吐き口から出た白い煙を見つめながら呟く。
それを見ていたグレイは「寒いのか?」と尋ねる。


「うん。…まぁね……。」


するとグレイはルーシィの前に手を突き出す。
ルーシィは訳がわからずにポカンとその手を見ている。
この鈍感め!と内心思いながら、言葉をかける。


「ん!手出せ!」


ルーシィはポケットに突っ込んでいた手を渋々グレイの前に出す。それを見たグレイはルーシィの手を捕まえて自分のポケットに手を繋いだまま突っ込んだ。訳のわからないルーシィは「え…?え…?」と手とグレイの顔を交互に見ながら顔を赤くしている。その視線に耐え切れなくなったグレイは少し強めに言う。


「俺だって寒ぃんだよ!手繋いじゃダメか!?」


「うふふ…全然いいわよ!」


声を上げて言ったグレイに少し笑いながらも正直き答える。


「ねぇ…。グレイも寒いって思うことってあるの?」

「え!?それは…その…。」

「無いのね?」


「…無くてわるいかよ!?お前と手を繋ぎたいって思っちゃダメかよ!?」


いきなりのカミングアウトに少々驚きながらも、


「悪くない!!」


といいながらルーシィはグレイに思いっきり抱き着く。グレイは顔を真っ赤にさせながら「は…早く帰るぞ!」と照れを隠す。


「うん!」


そうして二人はまた帰路をたどっていったのであった。


‡END‡

目撃者ナツ氏は語る。
(すげぇ幸せそうだったぞ。まさかあの二人付き合ってるのか!?)


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