*有閑 長編

□優雅に華麗に始まります
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聖プレジデント学園の中庭にある、一番大きな木の下には、
おかっぱ美人な女生徒と、どこか中性的な雰囲気の女生徒。






悠「ふわぁ〜…」




野「悠理、あごの骨がはずれてよ」




悠「だって野梨子、
退屈で退屈で死にそうだあ!」






悠理と呼ばれた少女は悲痛の声を上げる。






悠「こんな学校くるんじゃなかったよ。
どっかのえらいさんのご子息やご令嬢ばっか。
自慢話ばっかでなあんの刺激もないんだもん」




野「そういう悠理だって、剣菱財閥の令嬢じゃない」




悠「うちはさもしい成り上がりです。
野梨子の家みたいにお茶の家元とか
日本画壇のトップクラスとじゃ本質が違うよ」




可「あら、宝石屋の娘だってたいしたことないわよ」




悠「可憐!」






2人の会話に入ってきたのは、大人の色気を醸し出す、可憐と呼ばれる女生徒。






可「相変わらず喚いてるのね。
そんなに退屈なら運動部にもっと身を入れたら?
運動部部長の悠理君」




野「そうね、悠理は気が向いた時しか出ないんですもの」




悠「じょーだん!!
こーんな学校の軟弱クラブ、1日クラブ回りして愛想がつきたよ」






するとそこへ聞こえてきた、女生徒たちの黄色い声。








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