H×H(長編)

□迎えるから
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始まった

ゴォォン

ドンッ

時節大きな音が鳴る中で僕は絶をして
ただ身を潜めていた

ドクッドクッ

心臓の音が聞こえる
汗が滴る

それは緊張からじゃない

自分の心の矛盾

僕はウボォーを捕まえたあとの
蜘蛛しか思い浮かばなかった

もしウボォーを捕まえたら
なくなるはずの命が助かるかもしれない

少なくとも哀しむ人数より
喜ぶ人数の方が圧倒的に多い

なのに

僕は喜べない

蜘蛛が哀しむ
ウボォーはどうなる

蜘蛛から離れたのに

クルタ族を殺したのに…

……
でもそれは…僕のせい?

僕を捨てたクルタ族に復讐した
でもわざと数カ月僕をクルタ族で過ごさせて
自らを敵だと思わせた

何故?何故クロロはそんなことをしたの?

……


僕がクロロを恨むように?


クロロは悪い奴だ

だから嫌いだ

大嫌いだ

蜘蛛も





大嫌いだ


なのに

なんで

涙がこぼれてくるんだろう

なんで最後まで自分の気持ちに素直に
なれないんだ僕は

だって

だって

気づいてしまったら
そこで溢れ出してきそうなんだ


ズゴッ

「はっ!!」

ウボォー!?

いつのまに!鎖!?

ウ「殺せ」

ボギィッ

「はっ…はぁ…はぁ……」

どうする

どうすればいい

「ぜ、つ?」

ウボォーは絶状態に入っている…
あの鎖か?!

特質系…

くそっ

わからない

考えても

考えても

わからない

どうしたら……














”カミすまない”


今思えば何故僕は自分の名前を知っていた
のだろうか

初めて名前を呼ばれたのはいつだろうか





















───カミ───

ク、ロロ?
























ウ「殺せ」

ヒュオ!!

「悪夢の時間(ゴーストタイム)」

カキィィィィン

ク「なっ!誰だ貴様は!」

ウ「っカミ……?」

ク「カミ?」

「ウボォーを返してもらえるか?」

ク「お前も蜘蛛か?」

「違う」

ク「ならなぜ…!」

「マフィアの精鋭部隊…といいたいところだがあいにく今日でやめる。
僕には蜘蛛に生きていて欲しい」

そう、一緒にいたいなんて
言わないから

ただ幸せで居てくれ

もう、それだけでいい

大切なものを失いたくない

クロロ…

ク「邪魔をするのならヤるぞ?」

「構わない、僕の故郷は蜘蛛だ」

ウ「!!」

ヒュッ

悪夢の時間は一定の時間帯100パーセント
以上の力を出すことができる
その時の調子がよければ良い程
しかしその反動は大きい。
初めて使ったからどのような
ことが起こるかは分からない

だが、今使うしかないんだ

そうじゃないとこいつの鎖は防げない

…?

「何故鎖を使わない」

ク「っ…」



まさか使わないのではなく
使えないのか?

これほどの威力を出すのには制約や誓約があっただろう
とどのつまり、おおかた蜘蛛以外には使えないのだろう

なるほど
有る程度強化されたこぶしはかなりの
ダメージを与えれる

そうなれば有利だな
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