novel

□木漏れ日の深緑と夕闇
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「敵だ、対した奴じゃないが油断はするなよ。」全体を仕切るように通る声でヴィオが指示をだす。その声を合図にブルーが先陣をきる。続いてシャドウ、グリーンが中部を担当しレッドとヴィオが補助に回る。華麗に、かつ豪快に敵をあしらう。幾多の困難を乗り越えてきた彼らにとって、この魔物達は敵でもない。

「よし、とどめを刺す!僕に任せて!!」テイクバックから左足に体重をかけ、勢いよく前に踏み出した…はずだった。
目の前の景色がいきなり反転する。自身が崩れ落ちたのだと知ったのは、地面に強く叩きつけられた時だった。「グリーン!!!」ヴィオの声が酷く遠くに聞こえる。一体なぜこのようなことになったんだろう。起きあがろうにも身体が全く動かない。「ここは俺達に任せてシャドウとレッドはグリーンの安全を確保しろ!!」次々と迫り来る敵をヴィオとのコンビネーションでなぎ倒しながらブルーが叫ぶようにして指示を出す。短く返事を返し、ものすごいスピードで2人がグリーンの元へ駆けつける。そう言えば先程から酷い眩暈と頭痛がする。目を開くのがやっとだ。視界が霞む。目の前が次第に暗くぼやけていくのがわかった。「グリーン!!しっかりしろ!!」この声は…シャドウか、な。「あたま…われ、そ…」ひどい頭痛と力の抜けていく身体を強く抱きしめられた感覚がしてから、プッツリと記憶が途切れた。

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