宝箱
□無敵のボディーガード
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「ナギさん!いいお天気だから散歩に行きませんか?」
「・・・・・・」
「ほら、気持ちいいですよ、きっと」
「・・・・・・」
私は渋るナギさんを強引に散歩へと連れ出した。
シリウス号の停泊地であるこの街は、今が新緑の季節だ。
日差しは暑くても木陰は涼しい。
爽やかな風も吹いている。
ナギさんは大きな体を揺するようにして、悠然と歩く。
私はその後をちょこまかと歩く。
待ち行く人がナギさんを見て思わず振り返った。
それほど、ナギさんが綺麗なのだ。
太陽に照らされ、栗色の毛がキラキラと輝いている。
琥珀色の美しい目は毅然として、凜とした顔立ちに彩りを与えていた。
一緒にいる私も鼻が高い。
思わず笑みが零れてしまう。
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