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□rainy days
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「今日も雨だね〜」
窓から外を見てため息をつくお前
シリウス号は珍しく雨季の海域を航海中
シンが雨を嫌い避けて航海するものだからこんなに雨続きの天気に遭遇することはめったにないのだが
今回はシンの予想が外れたか
「洗濯物は乾かないし、甲板でお昼寝できないし、シンさんのご機嫌悪いし…早く晴れないかな〜」
洗濯物が乾かないのは困るだろうが
甲板で昼寝するな
寝顔、見られんだろーが
シンの機嫌、気になんのか?
他の男のこと気にするな
お前のこんなふとした言葉にすら嫉妬してしまうなんてな
「俺は…そんなに嫌いじゃねーぞ」
「え?どうして?」
窓際で小首を傾げ俺を見る愛しい恋人に近づき後ろからそっと抱きしめる
「お前と一緒にいれる時間、増えるしな…こんなこともできる」
顎に手を添えそっと口づける
「…ん…ナギぃ…」
1度のキスだけで目を潤ませ甘い声を漏らすお前
「そんな顔すんな…」
「へ?」
こいつ何もわかってねえ
「なんでもねーよ」
洗濯もの干しに甲板掃除、クルーの部屋の掃除と俺の手伝い以外にも忙しく動き回るお前
昼間一緒に過ごせる時間は意外と少ない
今日は雨のおかげで昼間からお前を独り占め
雨は食材を早く傷めるから好きではないが…
こんな時間が過ごせるなら悪いことばかりじゃねえな
最愛の恋人を腕の中に収め降り続く雨を眺めた
☆