もぬけの殻。

まさにこの状況のことか。

たった今先輩と来たのはボスの部屋だと思われる場所。

しかし、いない。

肝心のボスがいないのだ。

しかも窓が豪快に開け放たれている。

……考えられることは一つ。

「逃げやがったな!?」

「はぁ……アホのロン毛隊長に怒られますねー」

先輩は軽くため息をついた。

「勘弁してくださいよ……てかボス一人で逃げるとかサイテーだなw」

「しょーがないですねー戻りましょー」

めんどくさいので二人して窓から出ていった。



「う゛お゛ぉぉい!!!ボスを逃がしただとぉ!?」





「だからー、ボスのとこいったら既にいなかったんですってばーーー」

戻ってきた私達は早速怒鳴られていた。

そんな中、先輩は耳栓してやがる。

私がチラッ、と先輩の方を見ると、先輩と目があった。

先輩はすぐに目をそらした。





しょうがないので私が隊長に理由を言っている。

しかし全く聞く耳をもたない隊長。

こうなったら……

「ぅっ……グスッ……だってぇ……ヒック」

私は得意な泣き真似を……ww

「!? う゛ぉぉぃ……わかったから泣くなぁ!!!!」



「そぉねぇ〜……やっぱりオシャレかしら?」

フムフム……

オシャレかぁ……メモメモっと……

「あれ?柚、何してんの?」

私がメモをとろうとすると、後ろから王子の声がきこえてきた。

「ん?あぁ……私って女でしょ? しかも女の上にこの年で暗殺部隊入ってるしさぁ……。女子力がない気がするんだよねぇ。だから、どうすればいいか、お姉ちゃんにきいてたの〜」

そう言って私はメモをとりはじめる。

「ししっ♪柚はそのまんまでもかわいいし、着飾る必要なんてないと思うぜ」

笑顔でそれだけ言うと王子は去っていった。

いつも思うんだけど、王子ってよくあんな恥ずかしいことをサラリと言えるよなぁ……

「他にある?」

「そうねー……お料理とかどうかしら?」

私はいいね!と言葉を返し、メモをとった。



お買い物に来ました。

だけどコレ、どうすりゃいいんだ……。

とか思う私の前にはハンガーにかかった大量の服。

こんなにたくさんあったら選べない…………!とか思ってたら店員さんが話かけてきた。

20代くらいで、目はくりくりしてて大きいわスタイルはいいわでびっくり。

かわいすぎる。

「お客様、お悩みのようでしたら、コチラはいかがでしょう?」

そういってみせてきたのは一着の服。

白くてふんわりしててヒラヒラしてる。

「こちらは様々な着まわしができるため、これ一着と既にお客様がお持ちの服とで簡単にあわせることが可能です。」



……重い。

手には2桁はあるであろう数の袋。

あのあと、店員にすすめられた中でいいと思ったやつは全て買った。

店はだいたい5、6ヶ所まわった。

帰ったら早速着替えよう。



「〜♪」

鼻歌をうたいながら着替える。

さっき、先輩にタイプとかいろいろきいてきた。





『セーンーパーイ!』

『げっ……なんですかー?』

『先輩のタイプを教えてー!』

『は?』

先輩は意味がわからないとでもいいたげな表情をしている。

『・・・・・・・ー……かわいげのあるふんわりした人ですかねー?』

最初に何か言っていたみたいだがきこえなかった。

『フムフム……』

私はメモをとり自室へ戻っていった。





……ってわけで……

ふわりと広がってウエストが太く見えがちな服のため、軽くベルトをしめ、ショートパンツ、ニーハイソックスの色と合わせても変にならないような色のブーツをはく。
こんなかんじかな!!

フフフ……さて歩き回ろうw

まずは先輩を探すか……。

どこにいるんだ、あのカエルさんは……。

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