柚葉Side
「フラン先輩! 隊長が呼んでるよー!」
いつものように先輩に声をかける。
そしていつものように先輩の後ろをついていく。
「へーい……って何でついてくるんですかー」
「私も呼ばれてるんで」
じっ……と先輩をみる。
先輩は私のストーキング行為にもう慣れはじめているようだ。
最初こそ嫌がって(うざがって)いたものの、時間がたち慣れというものがきたのだろう。
まぁ、ストーキングといってもそこまでのものじゃないのだ。
いつも後ろについていくくらい。
色んなことを考えているうちに隊長の元へついた。
「おせぇぞテメェらぁ!」
早速隊長の怒鳴り声が聞こえてくる。
*
どうやら任務へ行かなければならないらしい。
先輩と一緒とか……嬉しすぎる!!
すると先輩が口を開いた。
「うっわー、ゆずぽんと一緒とか……最悪ですー」
ゆずぽんって言うなー!
本堂柚葉の本と柚をとってゆずぽんになったらしい。
「ちっ…しょーがねぇなぁ!! ・・・・〜〜・〜〜・・・・((「・・・・ー」
?
二人は何か言っていたがあまりに小さい声のため聞き取れない。
私は耳がいいから……聞こえないようにしているのだろう。
「なんでもないですー。とっとと行きますよー」
「……え? うん……?」
突然行く気になったようだ。
ま! いいや! 気にしなーい!w
*
「……ん? 柚じゃん。どっか行くのか?」
突然王子が話しかけてきた。
「あっ! 王子! これからフラン先輩と任務なんだ!」
そう言うと王子はいかにも不愉快そうに言葉を発した。
「ふーん……カエルとっていうのは気に入らねーけど……」
ギュッ
王子はいきなり私に抱きついてきた。
「気をつけて行ってこいよな♪」
「う……うん……///」
顔が熱を帯びるのがわかる。
「さっさと行きますよー」
私は返事をしてから、ベルに手をふった。
*IN ロッチェファミリー アジト
アジトに入る少し前、私はこんな質問をしてみた。
「先輩先輩!! もし私が死んだらどう思う?」
私は若干声をひそめて言った。
答えはすぐに返ってきた。
「別になんとも。むしろうれしーですねー」
う゛っ。予想してたとはいえ、やはり悲しい。
*
私と先輩はアジトの正面から入っていく。
何故正面からかって?
先輩がめんどくさいって言ってたから…
入ると同時に大きなブザー音のような音が鳴り響く。
ものの30秒で私達は囲まれてしまった。
「キャー先輩、囲まれちゃいましたー、なんとかしてくださーいw」
私がふざけて言うと、先輩はクルッと後ろを向き、いつもの様子で言葉を発した。
「あんた、風の属性持ってんでしょー?自分でなんとかしてくださーい。……背中はまかせましたよー?」
……先輩がそんなこと言うなんて珍しい気がする。
「……はいっ!」
私は満面の笑みを浮かべ、敵への攻撃を始めた。
*
どれくらいたっただろうか、あたりは死体でうめつくされていた。
壁や床など、そこらじゅうに血が飛び散り、私達も相当返り血を浴びてしまっていた。
さすがの先輩でも少し息切れしているほどの数だった。
「はっ……はぁっ……思ったより数が多いですねー」
先輩は若干顔を歪めた。
「さて、ここのボスを潰しに行きましょーかー」
「はぁーーい」
私は気の抜けた返事をし、歩き出した先輩の後についていった。