柚葉Side

「フラン先輩! 隊長が呼んでるよー!」

いつものように先輩に声をかける。

そしていつものように先輩の後ろをついていく。

「へーい……って何でついてくるんですかー」

「私も呼ばれてるんで」

じっ……と先輩をみる。

先輩は私のストーキング行為にもう慣れはじめているようだ。

最初こそ嫌がって(うざがって)いたものの、時間がたち慣れというものがきたのだろう。

まぁ、ストーキングといってもそこまでのものじゃないのだ。

いつも後ろについていくくらい。


色んなことを考えているうちに隊長の元へついた。

「おせぇぞテメェらぁ!」

早速隊長の怒鳴り声が聞こえてくる。



どうやら任務へ行かなければならないらしい。

先輩と一緒とか……嬉しすぎる!!

すると先輩が口を開いた。

「うっわー、ゆずぽんと一緒とか……最悪ですー」

ゆずぽんって言うなー!

本堂柚葉の本と柚をとってゆずぽんになったらしい。

「ちっ…しょーがねぇなぁ!! ・・・・〜〜・〜〜・・・・((「・・・・ー」



二人は何か言っていたがあまりに小さい声のため聞き取れない。
私は耳がいいから……聞こえないようにしているのだろう。

「なんでもないですー。とっとと行きますよー」

「……え? うん……?」

突然行く気になったようだ。

ま! いいや! 気にしなーい!w



「……ん? 柚じゃん。どっか行くのか?」

突然王子が話しかけてきた。

「あっ! 王子! これからフラン先輩と任務なんだ!」

そう言うと王子はいかにも不愉快そうに言葉を発した。

「ふーん……カエルとっていうのは気に入らねーけど……」

ギュッ

王子はいきなり私に抱きついてきた。

「気をつけて行ってこいよな♪」

「う……うん……///」

顔が熱を帯びるのがわかる。

「さっさと行きますよー」

私は返事をしてから、ベルに手をふった。

*IN ロッチェファミリー アジト

アジトに入る少し前、私はこんな質問をしてみた。

「先輩先輩!! もし私が死んだらどう思う?」

私は若干声をひそめて言った。

答えはすぐに返ってきた。

「別になんとも。むしろうれしーですねー」

う゛っ。予想してたとはいえ、やはり悲しい。


私と先輩はアジトの正面から入っていく。
何故正面からかって?

先輩がめんどくさいって言ってたから…

入ると同時に大きなブザー音のような音が鳴り響く。

ものの30秒で私達は囲まれてしまった。
「キャー先輩、囲まれちゃいましたー、なんとかしてくださーいw」


私がふざけて言うと、先輩はクルッと後ろを向き、いつもの様子で言葉を発した。

「あんた、風の属性持ってんでしょー?自分でなんとかしてくださーい。……背中はまかせましたよー?」

……先輩がそんなこと言うなんて珍しい気がする。

「……はいっ!」

私は満面の笑みを浮かべ、敵への攻撃を始めた。



どれくらいたっただろうか、あたりは死体でうめつくされていた。

壁や床など、そこらじゅうに血が飛び散り、私達も相当返り血を浴びてしまっていた。

さすがの先輩でも少し息切れしているほどの数だった。

「はっ……はぁっ……思ったより数が多いですねー」

先輩は若干顔を歪めた。

「さて、ここのボスを潰しに行きましょーかー」

「はぁーーい」

私は気の抜けた返事をし、歩き出した先輩の後についていった。

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