Details of beauty (Story Book)

□Side:Daisuke
1ページ/1ページ


新しい仕事が決まった。


今回は久々の映画だ。


そして、ボーイズラブという
ちょっと特殊なジャンルだ。



聞いていたのはそれくらいだった。


ラブシーンもある、というのは
正直、後から分かったのだ。


だから、台本を読んで出演者の名前を確認した時
一瞬、事が飲み込めなかったのだ。


 
『葉山託生:浜尾京介』



「……まお…?」


思ってもみなかった。


アイツと恋人役なんて。


理解すると同時に、心臓の鼓動が早くなっていくのが分かる。


「なにを緊張してんだよ…俺は…」


中高生じゃあるまいし
恋愛モノにドキドキするなんて
余りにも大人げないじゃないか。



今考えれば、まおとだったから…なんだと思う。


他のやつが葉山託生であったなら
俺はあんな気持ちにならなかったのだろう。


俺がそのことに気付くのは、もう少し後の話だ。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ