Details of beauty (Story Book)

□Side:Daisuke
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9歳下…ね。


出会った頃の彼は、まだ高校生だった。


第一印象は、凄く端正な顔立ちで、綺麗な子。


いつも真剣で何でもまっすぐ見つめる目が印象的だった。


真面目で、従来明るいんだろうにシャイで
とにかく、負けず嫌いなんだろうと感じた。


誰かに負けたくない。


自分自身に、負けたくない。


がむしゃらに芸能界を生きようと
そう思ってこの世界に飛び込んだ昔の自分に、ほんの少しだけ重なった。



ミュージカル初日、とてつもなく緊張してたんだろう。


彼はいくつかミスをした。


失敗したことが、
自分をコントロールできなかったことが
たまらなく悔しかったんだろうな。


舞台裏でこっそりと泣いていた。


その姿に、思わず、見とれてしまったんだ。


小さく足を抱え込んで、涙を拭うその仕草に。



高校生なんて、大人のようでまだまだ子供だ。


誰かが守ってやらなかったら、
きっとダメになってしまう。


アイツはしっかりしたやつだから
それはとんでもないエゴかもしれない。


だけども、オレはあいつを兄のように守ってやろう。


そう決めたんだ。


大切に弟のように守ろうと…。

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