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□プロローグ
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----××月××日とある高校の教室--------------


よ!俺は星海煌夜、高校生だ。今は放課後で俺は教室でぼんやりと空を眺めている。3階で窓際の席だからめっちゃ景色が良いぞ!
・・・・何?一人で居るなんて友達いないのかって?
・・・いやいや居るからな!一人だけ。













・・・・・・・・・なんだ、その目は。
良いんだよ俺は!友達がたくさん居るよりもその一人と深く長く親密にやっていけたら!















・・・スミマセン、ホントハイッパイトモダチホシイデス。

・・・いや、だって仕方ないんだって!他の人は目も合わせてくれないし、大体近くにさえ寄ってきてくれないんだぜ!めげずに声かけようとしてもその前にどっか遠くに行っちゃうんだから!これも俺の顔が気持ち悪すぎて直視できないからなのか?そうなのか?いや絶対そうだ!

そう思うとテンションも下がってきて俺は深い溜め息をついた。


「煌夜〜!悪ぃ、遅れちまって!」


「(おお!我が心の友よ!大丈夫だ、そんな)待ってない。」


「ん、ありがとな!」


で、今俺に声を掛けてきたのが俺の唯一の親友である倉林優人だ!名前の通り優しい奴で、この学校に入学してからも友達が全然居なくて一人でポツンとしていたのをわざわざ話し掛けてきてくれたのだ!それからというものはクラスにハブられ、はたまた担任からも敬語に星海様呼びという嫌がらせを受ける俺と仲良くしてくれている。


「煌夜、今日どうしても買いたいCDあるんだけど、ショップ寄って行って良いか?」


「(おお、別に)構わない(ぞ。お前の為ならば例え火の中水の中!!)」


「よし、じゃ行こうぜ!!」





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「〜でさぁ。ウケるだろ!」


「ああ、(何それマジで?!)」


今俺らはもうCDも買って、帰り際談笑しながら住宅街を歩いている。辺りはもう真っ暗で街灯だけがコンクリートの壁と道を明るく照らしている。


「ん?何だアイツ?」


そうして笑いながら歩いていたら、途中街灯の下に変な男が立っていた。真っ黒いコートを着て下を向いており、深く帽子を被っているため顔が見えない。


「・・・・何かヤバそうじゃね?壁寄って目線合わせないようにして通ろうぜ。」


「ああ、分かった。(マジ怖ぇ〜!)」


俺は優人の指示に従って男がいるのとは反対側の壁にピッタリと沿い、下を向いて歩いた。そして不審な男の横を通りすぎようとした時、俺はビビりの直感か何かでゾクッと凄く嫌なものを感じた。冷や汗をかきつつも俺は恐る恐る横目でその男を見てみた。


チラッ
「ニヤッ」
「!!」


俺は男と目が合った。男はこっち側に体を向けており、帽子の陰から狂気染みた目でこっちを見て笑っていた。


「っ、優人!」


「え?」


俺はとっさに優人の腕を引き、男から背を向けるように覆い被さった。その瞬間、


グサッ
「っつ!」






「・・・・・・・・・・・え?・・・煌夜?」


俺は男が隠し持っていたであろう刃物か何かで背中を刺された。刺された所が熱を持ちとても熱い。


「アハッ、ねぇ痛い?痛いよね?今すぐ楽にしてあげるから。・・・・・死ねよ!!!!!」


グサッ、グサグサッ、
「っ、ック、」


また、男は俺を何回も刺してきた。しかし俺は優人を決して離さなかった。


「っぁ、煌夜、煌夜っ、離せっ、離すんだ!」


優人は腕の中で出ようともがくが、俺は逆に離すまいと力をより一層込めた。


「っ、煌夜っ!!!!!」


「ん〜?心配しなくて良いよぉ?君もすぐ一緒に送ってあげるからさぁ!」


男はそんな狂ったことをさも愉快そうに言う。絶対に優人だけは・・・!!!

俺は優人から腕を放し、男の方を向いて背後に庇うようにする。出血が酷いせいか目が霞んで全然見えないが、男の顔があるであろう位置を精一杯睨み付ける。


「っは、ユウ、ト、には、手を、出す、なぁぁぁあ!!!!!!!!」


気力を振り絞って声を張り上げる。立っているのもツラい。息も絶え絶えだ。正直このまま倒れてしまいたい。でもずっと一人ぼっちで、怖く真っ暗な世界にいた俺に光をくれた優人は死んだとしても守りたかった。


「キャァァァ!!誰か、誰かぁぁ!」


「ッチ、運の良い子だね。だけど君のオトモダチは死ぬよ。」


俺の祈りが天に届いたのか、誰かが通り掛かってくれたらしい。男は走って逃げていった。途端に俺は安堵して、その場に倒れかけたが、優人が支えてくれてそのままゆっくり地面に寝かされた。


「煌夜!大丈夫だからな、今救急車呼ぶから!意識をしっかり持てよ!」


「ユウ、ト、」


「バカ、喋んな!血g「(はは、情けない顔。でも)笑って(くれよ)・・?」っ、」


自分の周りにはおびただしい血が流れている・・・。きっと助からないだろう。だったら最期位優人の笑顔が見たい。


「ユ、トの、笑、顔、好き、だからっ、」


「おいっ・・、止めろよ!そんなこと言うのっ!!!!!死ぬみたいj「お願、い」っ・・!!!」


優人は俺が助からないって分かってるだろうに否定するように頭をブンブンと振る。優人の涙が俺の顔に落ちる。けど、もうその感覚すらわからない。


「ユ、ト・・・。」


「煌夜っ・・・・・!!!」


優人は涙で顔をぐちゃぐちゃにしながらも不器用に笑ってくれた。
遠くから救急車のサイレンの音が聞こえる・・・・。優人は電話していないしさっきの女の人だろうか?


「煌夜っ、まだ言ってないことがあるんだ!だから死ぬな・・、死ぬなよ・・・!!!!……………!……………!!!!」


優人が何か言っているが最後の方が聞き取れない。そのまま優人にぎゅっと強く抱き締められる。そんなに俺のことを想ってくれているなんて、と俺は嬉しくて笑う。そしてそのまま視界は暗転した。
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