★猿比子×美咲

□入れ替わり
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あれは一時間くらい前、か…?―――――――――――

「あ、草薙さんチーッス」

「ああ、八田ちゃん。おはようさん」

いつも通りに草薙さんに挨拶してバーの奥に進もうとしたらそこに、

「よぉ、み・さ・きィ〜」

猿比子がいた。

「〜〜ッ!ああ!もう!朝から猿と会うなんて最低な日だな…」

「そんな事言うなよ〜、美咲ぃ」

「だから、名前で呼ぶな!」

猿の頭をガッと掴み自分の頭と思いっきりぶつける。
こう見えても頭が固いのに自身はあるんだぜ…!

「…ッ」

「あーあ、二人共大丈夫かいな?」

「結構…痛いッス…」

そう言うと草薙さんが不思議そうな顔をしてきた。

「…?伏見ってそんな喋り方やったか?」

え。
俺の顔をじーっと見てそう言う草薙さん。

「ぇ…。何言ってるんスか!俺ッスよ、俺!八田!」

「みィ〜さァ〜きィ〜、だろ?」

ん、あれ。おかしいな、自分の声が向こうから聞こえる。あれ。

何が起こったのか分からず頭が真っ白になる。
すると草薙さんが口を開いた。

「あっ、もしかして…やなくて確実に二人共…入れ替わっとるな。」

「「ぇ?」」

なんか猿とハモっちまったしいいいい!
ま、まあ、今はそんな事気にしてる場合じゃねぇ!

「えーと…いまいち意味がわかんないッス…」

「えーと、せやから、さっき頭ぶつけた時に八田ちゃんと伏見の体が入れ替わったちゅー訳や。」

う、嘘だろおおおおおおお!

「―――――っ!?」

声にならない悲鳴を上げる。
そっと隣にいるやつの顔を見てみると、

「……はあ」

俺だ…!
確実に俺だ…!(見た目は)

「美咲ィ、どうやら本当に入れ替わっちまったみたいだなあ?どうすんだ?」

そんな事俺が聞きてぇよ!
が、そう言うのは止めとこう。
い、一応?俺が悪い…訳だし…。
いやまあ!猿が悪いけど!

「そ、そんなこと…わかるわけねえだろ…。とにかく探すしかねぇんじゃねえの?」

「そうだな…。じゃあまずその下品な喋り方を止めてくれ…。」

「ってめッ!喧嘩売ってんのかあああああ!?あ!?」

ほんとこいつは…毎度毎度ムカつく野郎だぜ…。

「美咲みたいな馬鹿に喧嘩売っても仕方ないだろう…」

「あー!もう!とにかく!一刻も早くに元に戻るぞ!」

「はいはい」
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