虹の旅路

□52,電波を止めろ
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漢方薬屋の扉は無残に破壊されていて、近くに恐らくロケット団と思われる男が少し焦げた状態で転がっていた

まさかリアルに「カイリュー、破壊光線!」を人に向けて……!?
恐ろしや……

飛由『……どうしたらこんなことになるんだ』

「さ、さあね……」

死んではいない様だがもう少し加減というものを覚えるべきだ、とお節介にも思いながら、優木は優志の気配を探ってみた
いつも感じられている能力は、比較的近くにいるのが判る
姿は見えず、若干下の様だ

飛由『おい、階段あったぞ』

「待って
……この辺りかな」

ボールを一つ取り出し、放る

砂塵のボールだ
飛び出し、軽く身体を震わせた後、パチクリと不思議そうに瞬きした

砂塵『どうかしたの?主』

「この下、掘ってくれる?」

砂塵『え?判った』

砂塵がコンクリートの床を叩いて硬さを確認してから穴を掘る

飛由『なにやってんだ?』

飛由がその行動に呆れ半分にこっちへ来る
そのタイミングで下の階と繋がったらしい
砂塵が穴を掘るのをやめた

優志「遅かったな」

「お待たせ優にい」

飛由『何で階段から行かねえんだ』

「こういう登場してみたかったから」

笑いながら穴から下へ飛び降りる

「俺は十分吃驚した」

「あはは」

優にいを驚かせられる筈がないから成功かな

ワタルさんはやっぱりというかなんというか
破壊光線を生身の人間に対して放っていた
カイリューもカイリューで死なない程度にしか手加減してない(汗)

「さて、優木君も来たことだし
ここから二手に別れよう」

「おっし、行こうぜ優木」

ホープに手を引っ張られる
砂塵と飛由、優志も後からついてきている

あれ、ワタルさん一人……

気にせずロケット団に向けて破壊光線を放たせているワタルに、要らぬ心配かと前を向いた

「ガキんちょ発見」

早速目の前にロケット団員が立ち塞がる
肩にはヤミカラスが乗っていて、優木達を敵と認識するや、前に出てきた

「私にもやらせろ」

そこに更にもう一人、ヘルガーを連れた女の団員が現れた

「行くぞ優木!」

「うん!」

ヘルガーとヤミカラス相手に、優木とホープは直ぐ様呼び出す仲間を決める

「ガラン!」

「水護!」

優木はシャワーズ、ホープはガラガラを、各々呼び出した
こうなると圧倒的に不利になるのはヘルガーだった
しかしヤミカラスとて、全く有利な相手にはならない

「ヘルガー、悪の波動!」

相性的に勝ちの見えない戦いだろうと、相手は関係なく向かって来る
水護に向けて悪の波動を放つヘルガーも、トレーナーの指示にただ従うのみだ

「ガラン、砂嵐でガード!」

元々速くないシャワーズの水護に、攻撃が当たらない様に上手く防いでくれるガラン
ともなれば、これは期待に応えなければなるまい

「水護、ハイドロポンプ!」

砂嵐の合間からハイドロポンプを放つ
コンビネーションを見せ付けたい
ホープのよく判らない気持ちがそこに見え隠れしていた

そしてハイドロポンプはしっかりヘルガーに命中

「ヤミカラス、つばめ返し!」

「ボーンラッシュで防げ!」

つばめ返しで向かって来るヤミカラスに、骨を構えて受け止める

「水護、捨て身タックル!」

水護『了解です!』

ガランの体勢を崩そうと強く押し込んで来るヤミカラスに、水護が横から捨て身タックルで妨害する

「ヘルガー、ソーラービーム!」

その間に何とか起き上がってきたヘルガーが、ガランに向けてソーラービームの準備を始めた

集中的に狙われていても、ホープもガランも全く焦りが見えない
それをカバーしている優木と水護もだ

そしてヘルガーの太陽光線が放たれた
ガランはまだボーンラッシュの骨を持ったままだ

「ガラン、負けるなよ
骨でガード!」

『余裕!』

骨を身体の前で回し、ソーラービームを受ける
相性何てもろともしない

「ヤミカラス、イカサマ!」

「水護、冷凍ビーム!」

更にガランに向かっていくヤミカラスを、水護が冷凍ビームで妨害
抜群の冷凍ビームをかわす為にイカサマは中断された
その間にソーラービームが限界を向かえ、ダメージを与えられないまま終わった

「よし、ガラン、岩雪崩!」

『うおら!』

大量の岩を降らせ、ヤミカラスとヘルガーを襲う
効果抜群の技を受け、二匹共戦闘不能になってしまった

「ちぃ!戻れ!」

忘れてはならない、最早そこそこの時こそ経つが、この二人のコンビはほぼ即席でサカキにも勝つ程だということを
悔しそうに二匹を戻し、退散していくロケット団員

優志「さっさと先に進むぞ」



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