虹の旅路

□4,初めてのジム戦
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トキワの森を抜けて漸くたどり着いたニビシティ

コンテストがあるという日までは後2日程だ

急ぐ程でもない為、優木達はトキワの森で疲れた身体をまず癒す為にPCにて休息を取ることにした

借りた部屋に入り、その辺に適当に荷物を降ろし、座り心地良さそうなソファーに座る

「ふぅ…疲れたな」

飛由『体力ねぇな』

独り言の様に呟いた優木を見て、意地悪な発言をする飛由

「…悪かったな」

ムッとしながらも
この世界に来るまでろくに運動してなかったからな…
と少し反省した

翡翠『優木は悪くないよ!
翡翠もちょっと疲れたもん』


「ありがとう翡翠
翡翠がいると癒されて疲れが吹っ飛びそうだよ」

フォローしようとしながら、翡翠が優木の膝に飛び乗った、求めることが何となく伝わり、頭を撫でてみる
気持ち良さそうに目を細める翡翠に、自然と優木は柔らかい頬笑みを浮かべた

飛由『…まあ冗談だ
あまり本気にしないでくれ』


その様子を何だか羨ましく感じたのか、そう言うなり肩に乗る飛由
あれか、ツンデレか?

「…やきもち?」

飛由『!だ、誰がだ!』

必死になって否定されても説得力が皆無です飛由さん
だって顔赤いし

そんな時突然呼び出しの電話が入った

《優木君、通信が入っています
エントランスまで来てください》

「あ、はい」

電話が役目を終えて切れる

飛由『俺達もいくぜ』

翡翠『うん!翡翠もー』

「そうだね
多分博士だろうし」

翡翠の様子も、新しい仲間のことも報告したいしね

優木達は一度部屋を出て、受付もあるエントランスにある通信コーナーへと向かった


《おお、優木君
暫くぶりじゃのう、元気にしておるか?》

「元気ですよ博士」

翡翠『翡翠もー!』

目の前に映像として写し出されている博士に挨拶
頭まで登ってきた翡翠も挨拶する

「翡翠…重い…」

流石に重くて頭が上げれないので、そこから降ろして腕に抱く
うん、この方が楽だ

「そうだ、博士
新しい仲間が出来たんです」

その言葉を待ってましたとばかりに、これまた頭に乗る飛由

《ほう、オニスズメか
気性が荒いと聞くが大丈夫かね》

「…一応
僕を罵って楽しんでるようですけど…」

飛由『おいこら、罵ってねぇ
弄って楽しんでるんだ
人を悪者みたいに言うな』


げしげしと足で頭を攻撃される
そこそこ痛いけれど、ちゃんと加減もされている

《ほっほっほっ
まあ仲良くやっとるようじゃから良かった》

どこが!?
手加減されているとはいえ、飛由の足が未だに止まらないことに苛立つ

「飛由、そろそろやめろ」

睨んでみても、恐くないとでも言うように笑みを浮かべた

飛由『へいへい』

バサッと頭から移動して肩へ
翼を畳むと直ぐに大人しくなった

《ところで本題だが…明日時間はあるかね?》

「…一応ありますけど」

特に急ぐ旅でもない
博士は、それは良かったと言ってから話を続ける

《実はな
博物館で明日、ちょっとした試験があってな
優木君にそれに参加して欲しいのじゃよ》

「試験…ですか?」

《うむ
その試験で90点以上取れれば手持ち制限を解除出来るんじゃよ
どうじゃ?受けてみる気はないか?》

優木はそれを聞いて驚いた
アニメにも漫画にも、勿論ゲームにもそんなものはなかった訳で
そんな凄い試験があるとは、当然初耳だ

「どうして僕に?」

当然そんな疑問も沸いてくるものだった

《何、優木君なら受かりそうじゃと思ってな
ただのわしの勘じゃが》

「はあ…」

何はともあれ、優木はその試験を受けてみることになった

その日は休息を兼ねてPCでのんびりと残りの時を過ごした




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