スケッチブック

□20,VS.お化け
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「オレ達の大切な……友達だーーーーっ!!」

レンの叫び声はどこにいるか定かでないお化けが、いるかもしれない辺りの空間に反響して消えていった

「レン……!」

「レン!」

ヤンチャムとチョボマキが感涙する

《貴様……
今ノソノ言葉……後悔スルコトニナルゾ……》

お化けがそう言うと、ヤンチャムとチョボマキの姿は私達の前から突如として消えてしまった

それに驚くと共に、また四方を青い炎に囲まれる

炎はその灯りを広め、何かが姿を現した
ヒトモシだった

「皆……!ごめーーーん!!
オレのせいで、こうなっちゃったー!」

レンの謝罪を聞きながら、私達は目の前のヒトモシに身構える
相手がポケモンなら、戦って勝てばいいだけだ

「気持ちは同じ!」

「レンが言わなくても!」

「代わりに誰かが言っていた!!」

代わりばんこに、私達はレンにそう語りかけた

「ボクも、勇気を出して戦うよ!!」

さあ、覚悟は決まった
背中合わせでヒトモシとにらみ合いながら、私達は戦いの時を今か今かと待っている

《コレデ……オ前達ノ……命ハナクナッタ!》

暗転

変に響いていた声が、はっきりと目の前に現れたのがわかった

「ワレハギラティナ!
オ前達ノ魂ヲ貪ル
魔ノ国ノ使者ダ!!」

「うわああああああああっ!!」

大きい
今まで相手したどのポケモンよりも、圧倒的身体の大きさだった

レンの叫び声を合図にしたように、ヒトモシ達が一斉に姿勢を低くする
始まる
直感的にそう思った私は、皆へ

「来るよ!皆もっと固まって!」

中央の空いた空間を小さくして、お互いのカバーがしやすいように

皆私の言った通り一歩下がって完全に背中を預け合う状態になった
ヒトモシ達もジリジリと距離を詰めて、ギラティナはそのヒトモシ達に神秘の守りを張る
……眠り粉が効かない状態か

相性の悪い私にとって、眠り粉を封じられるのはちょっとしんどい
ヒトモシは炎ゴーストタイプのポケモン、水タイプや悪タイプの技で有利が取れるはず
逆に私とシキジカは炎タイプの技はかなり痛い

「ヌメラ、レン!周りのヒトモシ達の相手、頼んでいい!?」

「ふえっ!?」

「わ、わかった!」

レンより先にヌメラが、泡を吐いてヒトモシに攻撃した

レンと私の目の前にはあの大きなギラティナがいるけれど、更に左右にヒトモシがいて私は動きづらい
シキジカが私とヒトモシの間に出てくる
え?と思うのも束の間、そのまま駆け出し
ヒトモシに騙し討ちをお見舞いした

「メイ、ワタシもこいつらやれるから
あなたはギラティナを!」

「……ありがとう、シキジカ!」

「ワタシも後ろから援護するよ!」

ニャスパーも泡を耐えたヒトモシにサイケ光線を放ち、沈める

この子達を、子供と侮ることなかれ
まだ小さくても立派なポケモンだ

「メイ!オレもすぐこいつ倒して加勢するから!」

「うん!待ってるよ」

私が動こうものなら火の粉を放とうと構えていたヒトモシ達は、皆がしっかり抑えてくれた
私はギラティナに集中する



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