スケッチブック

□19,いにしえの骨跡
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うう……うううっ……


気が付くと、辺りはまだ暗いままだった
何が起こって気を失ったのか、全然わからない
ただ気を失う前に見た影だけははっきりと覚えている

私は特に痛むところもない身体を起こして辺りを見渡した
お化け?になにかされることもなく、私は普通に学校の自分の席にいた

「……こ、ここは……学校……」

シキジカとヌメラ、私の隣のレンも目を覚ましたばかりみたいだ

「オレ達……もしかして気を失ってたの……?」

「ねえ!皆!
ヤンチャムとチョボマキがいない!?」

「え!?」

目が覚めたばかりでちゃんと把握出来なかったけど、確かにぽっかりと、空席がそこにあった
ヤンチャム、チョボマキ、それにニャスパーもいなかった

「ねえ、一体どうなっちゃったの……?
オレにはさっぱり……」

レンは早くから気を失ってたから、なにもわからなくて無理もない

「レンが倒れた後、青白い炎に囲まれて」

「ええっ!?」

「そして巨大で恐ろしいお化けの影が……
ワタシ達を包むように現れて……ってまた気絶しようとしてるでしょ!?
絶対ダメ!もう気絶しちゃダメだからね!」

俯いていたレンがシキジカのその声でシャキッと持ち直す
私もそれを見てちょっと一安心
これ以上気を失ってたら朝になっちゃいそうだからね……

「それにしても本当にどこ行っちゃったんだろうね……
ヤンチャムとチョボマキとニャスパーの3匹は……」

ヌメラがこれまた涙目になりながら、疑問を口にした
不安で胸が張り裂けそうなんだろう

「行き先はわかってる」

「ニャ、ニャスパー!!」

驚いた
ニャスパーは校門の方から歩いてこちらにやって来た
まるで一匹だけ全て見てきたかのように

「どうして!?一体なにがあったの!?」

「ヤンチャム達を追っていたの
ヤンチャムとチョボマキは拐われたのよ」

「ええっ!?」


ニャスパーは語り始めた

あの時、あの影が出て皆びっくりして気絶したけれど、ニャスパーだけは起きていたらしい
でもなにが起こるのか全く読めなかったニャスパーは、皆と一緒に気を失ったフリをしたそうだ

しばらくするとお化けの影は消えて、そして青白い炎が動き出し
ヤンチャムとチョボマキを引き摺るように拐っていった

「ねえ、カモネギ先生がいなくなった時、目撃情報があったのを覚えてる?」

「うん、確かY字路でカモネギ先生を見掛けたとかっていう……」

「その時も青白い火があったって話よね?」

つまりこれは、カモネギ先生の時と同じなのだ

ニャスパーはその後、気絶してる私達をそのままにヤンチャム達の後をつけた

「来て、こっちよ」

ニャスパーの案内で、私達はヤンチャム達が消えたという場所へと向かった




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