スケッチブック

□5,競争の果てに
1ページ/3ページ




その夜

丘の上では気持ちが良くてついつい寝てしまったけど…
でも本当に良いところだったなあ
あの大きな木のある丘は…
ポケモンの世界って自然が綺麗だし…
凄く気持ちのいいところなのは判ったけど…
その世界に…どうして私は来たんだろう?
何でフシギダネになっちゃったんだろう…?

…後、オーベムも気になるし…

ここにずっといて大丈夫なのかな…?


朝、私はコノハナの家で目を覚ました

つるで目を擦りながら、自分に宛がわれた部屋を出ると、コノハナはそこに居らず、紙が一枚落ちていた

何だろうと思って近付くと、それはどうやら書き置きの様だ

「メイ、すまねえ
どうしても断れねえ急用が出来ちまったんで、今から出掛けてくるだど
暫く家を離れることになる
なので本当すまねえが、何日かは一匹で留守番してくれ
食料はちゃんと家に残してあるから心配するな
オーベムにはくれぐれも注意して
元気に学校行くんだど
コノハナより…」

音読を終え、内容を振り返る

「…暫く一人か…」

「メイー!お、は、よー!」

元気よく響いたのはレンの声だ
近いから迎えに来てくれたみたい

外に出てみると、楽しそうに笑いながらレンが出迎えてくれた

「メイ!!おはよっ!
ご近所だから迎えに来ちゃった
一緒にがっこ行こ!」

「うん、行こっか」

二匹で学校に向かって歩き出す

「へへっ、なんか楽しいね
オレ、メイが来る前まではずっと一匹で登校してたんだ」

「よく遅刻してたみたいだね?」

「あはは、まあね
教頭先生!おはよう!」

学校の校門で生徒を迎えていたミルホッグ教頭先生が振り返る

「ああ、おはよ…ってかいきなり問題児っ!!
そして今日は遅刻なし!
何て珍しい!」

レンのテンションは止まらず、青空教室さながらに用意されている机が並ぶスペースへやって来る
一応教室だ

「おはよっ!シキジカ!」

「え、ええ…お、おはよう…」

何だかそのテンションにたじたじの様だ

「おはよう!とりまき!」

「相変わらずうざいなお前
ていうかオレとりまきじゃなくてチョボマキ!」

「おはよ!ヤンチャ…「よ…よるな!鬱陶しい!
お前いるだけで暑苦しいんだよ!
そうでなくても最近暑いのに」」

尻尾の炎のせいかな?(ぇ)

「怒られちゃった
えへへへへ……」

私の隣に戻って少し申し訳なさそうに笑った

そこに今登校してきたニャスパーとヌメラが通りがかる

「あっ!おはよう!
ニャスパー!ヌメラ!」

こうして遅刻なく全員が揃い、チャイムの代わりに硬い木の実の殻が幾つもぶつかる音が鳴る
授業が始まる合図だ




,
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ