スケッチブック

□1,ポケモンになってる
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やっと…!


やっと会えたっ!!



君を迎えに来たんだよ?


お願い!力を貸して!








私の意識が引っ張られていく








世界を越える光の道


私の魂が、惹き込まれる様に導かれた













やっと…この時が来た





















世界の全ての命は

皆、同じ元から生まれたという











風の音、水の音が鼓膜を擽る



ここは…

…今誰かに呼び掛けられた気が…


ううっ判らない…

何だろう…思い出せない…





こ、ここは…

ここはどこだろう…

頭が痛い…

…あれ?なんか思い出せない?

私の名前は…芽依、メイ…うん、判る

でも、他の記憶がない…

どうしてだろう?



…喉が乾く…
何処かに水は…

あ、あっちに…



川の水をごくごくと飲み干す


「はあ、はあ…
生き返ったぁあ
何か、凄い美味しい水
こんな美味しい水飲んだことないよ」

記憶ないけど


ちょっと落ち着いたかな…


あれ?

水面に何かが…


え…!?

なにこれ…!?


「フシギダネになってるぅう!?」



ど…ど…どーして?



「ベムムムム!!」

オーベム三匹?


「ベムムムム…」

チカチカチカ

三回、指を光らせ合うオーベム達

なんだろうか


「っ!?」

突然、体当たりされた


「わわっ!?」

どうしていきなり!?

「あわわわ…!」


私は慌てて走った


フシギダネになった慣れない筈の身体でも、不思議と普通に走れた

"フシギ"ダネだけに



「はあはあ…はあはあ…

だ、誰か助けてぇ!

あっ!」

目の前を歩いて来たコノハナの前で立ち止まる

コノハナって悪タイプ入ってたよね?
エスパーのオーベムには強いよね!?

「ん?どうした?
何そんなに慌ててるんだ?」

「ほえ!?」

喋ったぁあ!?

「わわっ!何か驚かせてしまったか!?
すまねえ!」

しかも何か訛ってる!?

「オラはコノハナ!
大丈夫だからちょっと落ち着いて…!」

あ、そっか

私も今はフシギダネだから…

「わっ!来た!」

「な、なんだぁ?」

チカチカチカ

また指を光らせる

「あう!」

「わわっ!なんだど!?なんだど!?

ひ、ひえええーーーっ!!」

二匹で攻撃されて、コノハナも情けない声をあげた

「こ、こええええーーーっ!!」

そのまま逃げ出すものだから、私も慌てて後を追う

「待ってぇえ!」


暫く走ると、コノハナは突然、立ち止まった

「わわっ…
ここから先は不思議のダンジョンでねえか…」

「ベムムムム!!」

声が近い…

このままだと直ぐに追い付かれちゃう…

「わわっ!
とにかくこの先を行くしかねえ!」

コノハナと一緒に先へ進んだ



「この不思議のダンジョンって場所は本当に不思議なところでよ…
来る度に地形や落ちている道具が変わるんだど
後ここにいるポケモン達も皆、気が立っているせいか襲ってくる
だから一旦入ると抜け出すのはなかなか難しいんだ
先に進む為には階段だ
敵ポケモンに注意して階段を探す必要がある
先ずはオラが先に行くからしっかりとついてくるんだど」

よく判ってない私の前に立って歩き出すコノハナ

何か、私が何も知らないことを知ってるみたいだなあ

私があまりにも間抜け面してるからだって?

酷い


「い、いたっ!敵ポケモン!
見たところ今は眠っているみたいだが…
起きると襲ってくるから厄介だど!
敵ポケモンは技を使って倒す!
先ずはオラがやってみるからよーく見ておくんだど!」

寝ていたパラスを、騙し討ちで一撃

やるねコノハナ…

どうしてオーベムにはそれをやってくれないの?

え?弱そうな私とオーベム三匹も倒せないって?

酷い


確かに弱いだろうけど


「また出たっ!敵ポケモン!
今度はオラ見てるから自分で戦ってみるだど」

また寝てるけどね


「うーん、技かあ…」

ドードーだし、相性悪いし


「〜っ、えいっ!」

近付いて種から毒を出してみた

あれ?案外やれるじゃん?私

調子乗りましたすみません

やめて…!つつかないで!フシギダネには痛い!痛いよ!

隙をついて今度は体当たりして、漸く落ち着いた

「そう!そうやって技を使って戦うんだど!」

ポケモンの基本知識じゃん?知ってるよっ!

「さあ、行くだど」

コノハナなんかお兄さんみたい…!

いや、お父さんかな…!?

どっちでもいいや(爆)




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