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□1,幼い頃の
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「行ってきます母さん!」

「行ってらっしゃい、気を付けてね」

俺はホープ、8歳
ここはクチバの外れにある一軒家

いつも近くにある海で遊んでるんだ
今日もその海で遊ぶ為に下に水着着て家を飛び出した

そしてこれが、俺とアーボの出会い

ここから俺の、トレーナーとしての人生が始まる

旅の始まりだ


いつもの様に浜辺で一人遊ぶ、俺は友達と呼べる関係のやつ何て一人もいない
そして最近は砂の城を作るのがマイブームだった


『しゃー…ぼ…』

「ん?」

近くから聞こえてきたのは何だか苦しそうなポケモンの声

「誰…?」

それはいつも、入っちゃ駄目だと言われている草むらから聞こえてきた

『あー…ぼ…』

恐る恐る草むらを掻き分けてみる

「…君…なの…?」

『しゃー…ぼ…あー…ぼ』

波の音が聞こえる海に近い草むらで、俺達は出会った


そのアーボは何かを喉に詰まらせてしまった様で、首もとが凄く大きくなっていて
俺は急いでアーボを抱き上げて家に帰った





「もう大丈夫よ」

母さんと一緒にPCにアーボを連れて行った俺は、喉の異物を取って貰ったアーボと再び会った

母さんは俺が草むらに入ったことを怒ることなくアーボをPCに連れていってくれて、俺はジョーイさんに褒められた

「一体何が詰まってたんですか?」

母さんが聞くと、取り出されたのは網

「どうやら漁に使う網を海草と一緒に飲み込んでしまったらしいわ
大事にならなかったから良かったけれど」

「良かったなアーボ!」

『しゃーぼ!』

嬉しそうなアーボを抱き上げて笑いあった


それから毎日、アーボと遊ぶ様になった
それはそう、二年間もの間だった

雨の日は俺の家で一緒に遊んだし
雪の日は雪合戦したりもした

楽しい毎日だった

そして、とうとう
俺はポケモントレーナーとして、免許皆伝
旅に出られることになった


「アーボ
俺と一緒に…来てくれないか…?」

『あーぼ!』

当然の様にアーボは俺についてきてくれた

しかし、トレーナー修行の旅は楽しいばかりではない

勝ったり負けたりを繰り返している内はまだ良かった、何れ勝てなくなり、俺は勝利に取り憑かれた

勝てなければ何の意味もない

ポケモンと信頼等築いても何の役にも立たない

勝利こそが全てだ


アーボの苦しみの声も、いつしか聞こえなくなっていた


そんな時だ

「君、良かったらロケット団って言う組織に入らないか?」

「ロケット団?」

俺はロケット団に勧誘され、名前もその団員にヘイネスという名前を貰った


俺の目的は、ただ強くなることだった

勝つことだけを求めた

負けるなんて許さない


俺は、野生のサンドに出会った

正直捕まえるのはなんでも良かった

何となく、サンドを捕まえた
逃げられそうになったりもしたけれど、アーボの毒はこういうときには便利だ

そして別の場所で、今度はポニータと出会った

わざわざ苦労して捕まえた、素直そうな奴だ


もっとだ、もっと強くなって

勝ち続けるんだ



「おい!しっかりしろ!」


『さ…さん…』

サンドは思っていたよりも弱くて、使い物にならなかった

「使えねえな」

結局そのバトルには負けてしまった



「おいへイネス」

同じロケット団の一人だ

「ん?」

「いい話しがあるんだけど、どうだ?」

そいつは研究員、と言っても端くれの様なものだが

「なんだ?」

「へイネス前に言ってたよな?
ポケモンを強化する実験に興味あるって」

「ああ、その話しか」

ポケモンを強化する実験

研究、人工的にポケモンを強くする

「研究に参加していいってさ
俺と同じチームだって」

「そうか、ありがとう」

こいつに礼を言う様なことではない気がしたが上に伝えてくれたことを感謝する意味で言っておいた

「はは、これからもよろしくなへイネス」

「ああ」

何気に俺達は仲がいい

「じゃあ、またな」

「おう」


そうだ、実験するなら最初はあの使えないサンドだな



ロケット団に入ってから、また随分と時間が経っていた

トレーナーになってから、既に7年が経っていた




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