スケッチブック

□18,肝試し
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ゾワッ
というのがぴったりな感覚が、背中を駆け巡る

《……あついよぉ……》

そして不思議と響く謎の声

「ん?チョボマキ、今なんか言ったか?」

「オレじゃないよ?他の誰かじゃ……」

鈍い反応をするヤンチャムとチョボマキ
声は、そんなこと知りもしないとばかりにもう一度

《……あついよぉ……》

と、声を響かせた
さっきよりも、鮮明に

「こ、これは……!?」

「……いる!ワタシ達以外に……」

「学校に、誰かが……!」

ゾワゾワと背中に感じる感覚は、その声の主に感じる気配だろう
肝が冷える、とはまさにこの事か
夜とはいえ、夏のこの時期
暑いはずなのに、私は肌寒くすら感じている

「ううっ……」

「ううううっ……」

ヌメラだけでなく、チョボマキまでが震えだした

《……あつい……あつい……》

「誰!?誰なの!?」

近くまで来てる様な、そんな気がして身構える
自然と、気を失ってるレンを守るように
そんな時、ボッ!と突然火が灯った
なんの明かりもない教室で灯った火は、赤ですらなく青白い火だ
不思議と辺りが照らされることはなく、その火だけが、ただただ浮くようにそこにあった

「あ、あれは!?」

「青白い……炎……!」

途端、私達は炎に囲まれた
逃げ道を塞ぐように四方から炎が灯る

「ううっボクももうダメ!怖すぎて!
うわああああああーーーーっ!!」

ヌメラが叫んだ
レンと同じく気を失ったらしい

「ヌメラ!!」

「うわああっ!オレも耐えられねえ!
ゴメン!おさきにーーーっ!!」

チョボマキまで
好きなタイミングで気絶するスキルでもあるのかな?羨ましい?

「都合がいいなぁ!おい!
そんなことされたら……オレも……
オレも……」

炎に囲まれたこの状況は、まあ普通に怖いよね
しかもなんか普通の炎じゃない訳で

《キサマカ……?ワレヲヨンダノハ……?

イイ度胸ダ!

無謀ナホドニナ!!》

何かが来る……!不思議な声が怒号になって、地響きが起こる

「わわっ!!」

あ、あれは……!?

なにかの、大きな影が一瞬、見えた

《ナラバ!
味ワワセテヤロウ!

本当ノ……恐怖トイウモノヲ……!》

「うわああああああーーーーっ!!」

ヤンチャムの叫び声が聞こえた

私の意識は、そこでプツリと途切れた






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