スケッチブック

□10,デンリュウ
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リバーというだけあって、水が近くで川を作っている
その深さはそこまで深そうではないが、今の自分なら充分に泳がないといけない深さだ

案の定、水タイプのポケモンが襲い掛からんとこちらを見ている

近くに幾つかラピスが落ちているのも見えた

「先ずは……!」

敵より早く動いてラピスを一つ拾う

タイプごり押し

ラッキーっ!

心の底からそう思うと、直ぐ様近くのレンに投げ渡す

「嵌めて!」

「はいよ!」

口だけで笑ったレンが、ラピスを受け取ってリングルに嵌める

これで水タイプにも普通にダメージが通る

「くらえっ!」

二体のウデッポウに一斉に攻撃する

向こうも当然負けじと攻撃してくるが、何とか倒しきった

「いいところに落ちてて良かったね」

「だね」

一先ず休息を挟み、先に進んでいく

ラピスとリングルを上手く活用しながら、レンにとって相性の良くないダンジョンを突き進む
中には私の苦手な相手であるスリープやバネブーなんかもいて、二匹で協力しながら何とか奥へ奥へと進んだ

気が付くと、蓮の浮いた池の前に出てきた

「大分奥まで来たと思うんだけど……
ここまでデンリュウを見掛けなかったってことは、更に奥まで行ってるってことかなあ?
まあいいや
もうちょい進んでみよう」

池に少し近寄ると、カエルの鳴き声の様な、不思議な音が響いた

ボーーーン!

ボボーーーン!

ニョロボーーン!

「わわっ!!」

突然、池の中から三匹のニョロボンが現れた
アバゴーラが言っていたニョロボン三兄弟……?

「ここは俺達の縄張りボーン!」

「さっさと帰るボボーン!」

「あの、オレ達ポケモンを探していて」

「煩いボン!
俺はニョロボン!
ニョロボンリバーのボスだボーン!」

ああ、やっぱり

何だか面倒くさそうなことになってきたなあ

「それは違う!
俺こそがニョロボン!
ニョロボンリバーのボスだボボーン!」

「それも違う!
俺こそがニョロボンで、ニョロボンリバーのボスだボン!」

あれ?仲間割れかな?

「ちょっと待て!」

「オメーらちがくねえか!?」

「そっちこそ!」

完全に揉めてるね
レンと顔を見合せて、困った顔で笑いあった

「とにかく!」

「俺達はニョロボン三兄弟!!」

「覚悟するボン!!」

「メイ!来るよ!
手強そうだけど三匹なら何とかなるかも!」

こっち二匹何だけどなあ
どこから来るのさその自信は

「その考え!甘いボーン!
いでよ!俺達の子分!!」

「な、何……?」

地響きの様なものが起こる
ああ、これ

勝てるかなあ……?

ニョニョニョニョ……

「ニョロー!!」

「……えー……」

出てきたのは、ニョロモ一匹

何か、拍子抜けしてしまった

「ボスが三匹で、子分が一匹だけって……」

「う、煩いボン!
とにかく、とっちめてやるボボーン!!」

「行くボン!!」

何とも言えない空気の中、戦いは始まった

「フンヌ!」

ニョロボンの一匹が力を込めると、天候が雨に変わった

これは、レンに相当不利な状況になった

私はニョロモをレンに任せ、ニョロボン三匹の前に躍り出る

「一匹で来るとは舐められたもんだボーン!」

もう一匹がビルドアップで能力を上げる
私に一番近いニョロボンは守るで私からの攻撃を防ぐ体勢に入った

「それはどうかな?」

私は背中から粉を振り撒き、守っていないニョロボンを一匹眠らせる

「ヌゥ!?」

レンはその間にニョロモと一対一で戦っている
雨乞いのせいで火力が下がってしまっている炎技は避けて、竜の怒りと噛みつくを中心に善戦していた

「くぅらええ!」

ニョロボンが攻撃してくる
拳を振り下ろされ、私は寸前で後ろにかわす
直ぐ様つるのムチでお返し
ニョロボンの腕を一本絡めとると、更に迫ってきたもう一匹を見て、捕まえたニョロボンの頭上を通ってかわした

「ふぅっ!」

直ぐ様突進を食らわせると、二匹がぶつかって倒れる

「メイ!」

ニョロモと戦い終わったレンが弾ける炎で応戦してきた
私の後ろからビルドアップしたばかりのニョロボンが攻撃しようとしたところを直撃

「ありがとう!」

「へへ」

反動で少しヒリヒリする頭を無視して、その一匹にもつるのムチを食らわせる

まあ、ここまで来ると誰でも予想出来る通り
私達の勝ちだった


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